「おしゃべり」きのこ、ミクロな世界から学ぶ「共存と共生」
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テーマが🍄で、「はぁ?」と思われた方もいるかもしれませんが、きのこと私たち人間は同じ祖先を持つもの同士です。しかも、きのこたちは我々の想像以上にすごい能力の持ち主で、概要文に記したもの以外ですと、バイオレメディエーションへの利用が期待されている他、森に異なる樹木の種類が共存できたり、特定の樹種が優占するようになったりするのは、きのこの“菌”が作り出す地下ネットワークによるものだとする研究発表もあります。まさに森を管理する支配者、もしくは森を育むお母さん的な大きな役割を果たしているはずなのに、地味で日陰者扱い…。そんな健気なきのこを知るために読んだ、とある本にこんな言葉がありました。
〈この世の中に無視されて良い存在はない。人の世界にも、目立たず、振り向かれもせず、欲張らず、それでもきのこのように懸命に生きている人々もいる。〉
今回は、上ばかり向いていては気づかない、私たちの足元に広がる、目立たぬヒーローが息づく世界から“共生”のヒントを探れたらと思います。
【配信後記】
一つ言えることは、およそ1hという短い時間で「きのこ」についての知識は格段に上げられる回になったという事です。江口学長いわく、きのこのポテンシャルは高いが、世界的に研究者が少なく、まだまだよくわかっていないことも多いそうで、数少ないきのこの研究者の一人であり、しかも第一人者である江口学長の話を聞いた私たちは、きのこについての知識量においては、およそ80億人いる世界の中で割と上位にランクインできたのではないかとすら感じています。それほど、きのこはブルーオーシャンなのだそうです。
江口学長は37年間きのこに向き合ってきた方で、街や社会を見るときに「この会社は毒をいっぱい発している、この会社は良い酵素を出してくれている」と、きのこ的な捉え方をすることもあると語っていましたが、この域に達するほど夢中になれるものを持つ生き方は素晴らしいですね。江口学長がボードに書いてくれた最後の一言。多くの方が、そう思える対象に出会えることを心よりに願っております。キノコのお話面白いですね。かつて、陸上に植物が進出してから大量の植物資源が蓄積し、長い時を経て現在人類が使っている石炭資源になりました。約3億年ほど前に、植物に含まれるリグニン分解能をもつ菌類が登場したことで、植物系の資源の貯蔵を減少させたのではないかと考えられています。化石炭素資源がそれ以降に蓄積しづらくなったので、人類にはすこし残念な話ではありますが、地球の大気組成や陸上環境を変えた立役者でもあり、興味深い分類群です。