OPECプラスが追加増産=ロシア落ち込みで供給拡大
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サウジが遂に米国からの増産要求に応じました。これは非常に大きな動きです。
バイデン政権は、対露経済制裁を強化しながらもエネルギー価格の高騰を抑えるために中東産油国に増産の協力を要請してきましたが、サウジとUAEはこれまで米国の要請を拒否し続けてきました。
人権、民主主義、反化石燃料で、しかもイランとの核合意に積極的だったバイデン政権とサウジの関係は史上最悪と言われるほど悪化していたからです。
ここに来てバイデン政権がサウジとの関係リセットに向けて、外交的な働きかけを強めており、6月末にバイデン大統領のサウジ訪問を実現すべく、様々な水面下における交渉を進めてきたようで、そうした動きが実りつつあるようです。
バイデン政権がイランとの核協議を事実上諦めて、対イラン強硬策に軸足を移したことも、関係しているものと思われます。
結局、バイデン政権も、サウジやUAEとの関係を強化してイランに圧力をかけるというトランプ時代と同じような政策に戻りそうですが、このまま米・サウジ関係リセットに向けて前進できるかどうか注目したいと思います。下記の末尾の図表1に、世界の石油消費の全体感がまとまっている。
65万バレルというのは、世界の石油生産に対しては0.65%ほど、OPENの生産量に対しては2%ほど、元ソ連(ロシアなど含む)に対して5%という規模感。
【2021年12月】
世界生産:9822万バレル/日、うちOPEC3335万バレル/日、元ソ連1428万バレル/日
【2022年4月】
世界生産:9866万バレル/日、うちOPEC3392万バレル/日、元ソ連1301万バレル/日
https://www.smd-am.co.jp/market/ichikawa/2022/05/irepo220525/