【解説】ロシア問題だけじゃない。原油の値上がりが続く理由
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イランとベネズエラの経済制裁を解除すれば、両国は埋蔵量が多いので、原油価格は一気に下がりますね。
しかし、ベネズエラはともかく、イランの制裁解除は当面起きないですね。ヨーロッパ諸国は、イランの制裁解除を望んでいますが。
今の革命防衛隊独裁のようなイランでは、原油の密輸は革命防衛隊が一手に取り仕切っており、莫大な利権を握っています。制裁下で密輸にならざるをえない状況の方が、革命防衛隊には望ましいといえます。国民の大多数の不満は大きいですが。
イランの制裁解除は、イスラエルやサウディアラビア、UAEも強硬に反対します。
あと、地理的に見て、パイプラインでヨーロッパに安定して原油とガスを供給できる国に、アルジェリアとリビアがありますが、両国とも、これから食料危機に陥り、非常に不安定化するでしょう。リビアなどは、複数の政府が乱立割拠している状況で、今月も首都の奪い合いが起きて、負けた方の政府首相が落ちのびました。
ナイジェリアからヨーロッパに直接パイプラインをひけるとだいぶん違うのですが、道中のマリやニジェールこそ、混迷を増しており、イスラーム国やアル=カーイダが跋扈していて、まず無理でしょう。
ロシアとウクライナから原油、ガス、食料が輸出されなければ、ヨーロッパが困るだけではなく、中東とアフリカは死活的に不安定化します。中東で起きた問題はヨーロッパに波及していくので、ロシアが原油、ガス、食料の供給を抑えたのは、ヨーロッパへは非常に効果のある脅しになっています。原油市場の構造が根本的に変わってしまったという新村さんの言葉が印象的でした。脱ロシアと脱炭素。この二つを睨みながら新たなエネルギー政策を考える必要があるわけですが、非常に難しい問題だとあらためて感じました。