[ワシントン/ロンドン 25日 ロイター] - ロシアから国債の元利払いを受け取ることを認める米財務省の特例措置が、米東部時間25日午前0時01分(日本時間午後1時01分)に失効した。これによりロシアはデフォルト(債務不履行)の瀬戸際に追い込まれた。

ロシアは海外投資家向けに発行した債券について、年内に約20億ドルを支払う必要がある。デフォルトとなれば100年以上ぶりとなる。

ロシアのシルアノフ財務相は声明で「ロシアが債務返済のための資金を欠いていた1998年(のデフォルト)と状況は異なる。われわれには現在、資金も支払いの意思もある」と強調し、ロシア政府は対外債務をルーブルで支払うと表明した。

財務省はさらに、ロシア国債の元利払いを受け取ることを認める特例を失効させる米政府の決定について、まず打撃を受けるのは外国人投資家とし、「外国人投資家の権利を侵害し、西側諸国の金融インフラに対する信認を損なう」と強調した。

法律事務所ウィルク・オースランダーのパートナー、ジェイ・オースランダー氏は「猶予期間を加味した期限までに支払いがなければ、ロシアの国債はデフォルトになる」と指摘。「特例措置が失効となり、債券保有者は支払いを受ける方法はないようだ」と述べた。

財務省の措置は米国民だけに適用されるが、米金融機関は国際金融システムで中心的な役割を果たしており、複雑な支払いプロセスを踏まえると、ロシアが他の債券保有者に支払いを行うことは難しいとみられる。

ロシアは20日にユーロ建てとドル建ての国債2本について、期限の1週間前に前倒しで支払いを行った。だが送金は時間がかかることが多く、アジアに拠点を置くある債券保有者は25日までに支払われていないと述べた。この2本の外貨建て債は、ともに30日の利払い猶予期間が設けられている。

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