日米豪印クアッド首脳会合終わる 協議の成果 共同声明で発表へ
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ロシアがウクライナに軍事侵攻して今日で3か月になりますが、この期間、中国は米国のインド太平洋戦略を「アジア太平洋版NATO」という文脈で牽制してきました。最近王毅外相あたりがしばしば公言するのが、米国はこの地域で中国を封じ込めるために「5.4.3.2」を使っているという批判;
・ファイブアイズ(Five Eyes:米、英、豪、カナダ、ニュージーランド)
・クアッド(Quad:米、豪、日、印)
・オーカス(Aukus:米、英、豪)
・二か国間軍事同盟(日米、韓米、豪米など)
クアッドにはウクライナ戦争でも「中立」を保持するインドが入っていますし、5、3、2に比べれば4の足並みはそろわないと中国は踏んでいるでしょうが、インドは昨日発足が発表されたIPEFにも加盟を表明しています。
インドが「中国寄り」の政策を取ることはないでしょう。インドこそ、中国には逆立ちしても実行できない「独立自主」外交を展開していると言えます。クアッドは早速正念場を迎えています。ウクライナ戦争でロシア寄りの姿勢を鮮明にするインド。対中強硬路線を敷いた保守党から労働党に政権交代する豪州。足並みが乱れかねない中で、共同声明を出せた意義は小さくないと思います。内容はともかく、中国は多国間による封じ込め的な動きを極端に嫌います。IPEFとAUKUSとあわせて多層的に圧力をかける効果はあるとみています。
日米豪印が、海洋秩序維持の分野で協力しあうと世界最強の安全保障協力枠組みになる。ただ、インドは、ロシアと仲良くしたい。中国が主導するアジアインフラ投資銀行の重要なメンバーの一つ。米国、ロシア、中国の皆んなと仲良くできるのが大国の証しと信じているのがインド。クアッド首脳会談を主催したからといって、日本が舞い上がったら、したたかインドに失望することになる。