[ニューデリー 18日 ロイター] - 自動車大手ステランティスのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は、インドが採算の取れる市場になると発言し、中国やロシアなどの問題を踏まえると従来予想より成長機会が大きいとの認識を示した。

17日遅くのバーチャルメディア会見で、インドの売上高が2030年までに2倍以上になると予想。営業利益率は今後数年で2桁になる見通しという。

「インド流に物事を進めれば、インドで利益を出すことは可能だ。一部の欧米自動車メーカーが失敗したのは、その点を認識していなかったためだ」と指摘。

コストを抑制するための部品の現地調達やサプライチェーンの垂直統合のほか、インドの消費者が求める車を作ることが重要だとの認識を示した。

同社は中国で逆風に見舞われ、戦略を練り直しているほか、ロシアではウクライナ侵攻を受けて生産を停止した。

「こうした課題を踏まえると、インドには以前よりもさらに大きな機会がある」と述べた。

同社はインドで、長さ4メートル未満の小型ガソリン車を発売するため、スマートカー・プラットフォーム・プログラムを進めてきた。小型車は税率が低く、購入しやすいという。来年から電気自動車(EV)版の小型車も発売する。

パワートレインとギアボックスは現地で生産。現地調達比率は90%を超える。2015年以降、インドに10億ユーロ(10億5000万ドル)以上を投資してきた。

サプライチェーンが発展すれば、バッテリーもインドで調達する意向。割安なEVを生産する唯一の方法だとしている。