リコー、mRNA医薬品の製造受託に参入 米新興を買収
日本経済新聞
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エリクサジェン・サイエンティフィック社(Elixirgen Scientific)は、2016年に米国で設立された企業ですが、高速細胞分化誘導試薬キット、分化済み凍結細胞、これら技術を用いたiPS細胞の生産、iPS細胞の評価サービスを日本でも事業化していました。2021年には、武田薬品湘南鎌倉研究所の跡地に開所された「湘南ヘルスイノベーションパーク」に移転し、ここでmRNA治験薬の製造受託事業も始めていました。
mRNA治験薬製造は、少量を作るための試験的製品の製造事業であり、大規模受託製造とは求められる設備や技術は同じではありません。また事務器製造とバイオ医薬品製造では求められる中核能力(コア・コンピタンス)は相当に異なります。記事にある通りの「リコーの技術力」がどれほどの相乗効果を示すかについてはイメージできませんが、リコーの出資で大規模化を目ざしていることは理解できます。ベンチャーラボインベストメントは、元通産省の技術系行政官だった方が立ち上げたファンドであり、その関係で大学や大手企業OBのネットワークを多く保有しています。
mRNA治験薬のベンチャーはそこまで多くのネットワークや研究開発場所があるわけではないと思いますので、いい取り組みになるかもしれません。
ただ、個人的に不明瞭な部分は、現在の治験制度の枠組みで語ることは難しく、上市後のアフタフォローもどこまで求められてくるかによっては、運用期間の見直しも検討する必要があるかもしれないし、予想以上にリターンも取れないかもしれないと思っています。