トルコ、北欧2国NATO加盟不支持を再表明 「代表団派遣不要」
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トルコ政府の本音がどこにあるのか、ですが、
やはりクルド人組織(クルド労働者党、PKK)のことばかり話しているので、本当にクルド人亡命組織の引き渡し、というのが主な要望なのでしょう。
エルドアン大統領が「代表団派遣不要」というのは、亡命クルド人を引き渡すという確約をしてからでなければ話し合いは意味は無い、という趣旨です。
エルドアン大統領に限らず、トルコの政府、軍、広く民間に見られるPKKへの敵意は偏執的なものです。
たしかに、PKKと軍、警察の戦争や、爆弾などで、トルコにも多数の被害が出ています。2015年に停戦が破綻して以降だけでも、トルコの軍、警察は、2000人以上は殺害されているでしょう。クルド人は、その倍は殺されています。
しかし、トルコでクルド人問題が続くのは、トルコ政府がこの報復としてクルド人の街や村を焼き払ったり、大量逮捕したり、弾圧を続けるから、というのが主な理由でしょう。
トルコ政府は、軍をシリアやイラクに出兵して、現地のクルド人居住地を襲撃してまで、クルド人狩りを続けています。
仮に、スウェーデンやフィンランドにいる亡命クルド人を引き渡したところで、クルド人問題が沈静化することはないでしょう。
この問題は、シリアやイラクに居住するクルド人も関わる問題ですが、トルコ政府の今のやり方で、クルド人問題の解決は無理でしょう。PKKを取り締まれば終わるような話ではありません。
そうはいっても、今年大統領選挙を控えているエルドアン大統領としては、この件でトルコの外交的威圧力を示して、有権者の支持を得たいのでしょう。
トルコは、これまで以上に、他のNATO諸国から厄介者扱いされますが。トルコは、フィンランドとスウェーデンの2国が、トルコのテロ組織指定する「クルド労働者党(PKK))を支援していることを問題視し、怒っています。トルコがこの問題をどれだけ重要視しているかを考えれば、同国が簡単に北欧2国の加盟申請を認めるとは思えません。
PKK支援については、北欧2カ国だけでなく、欧州連合(EU)もこれまでトルコに批判的な立場をとってきましたし、米国もシリアにおけるPKKの同盟勢力であるYPGを支援し続けています。トルコは、これについてずっと欧米諸国に抗議し続けてきましたが、状況は一向に変わっていません。
ですからトルコは、北欧2カ国へ「モノ申す」を皮切りに、この機会に欧米諸国のクルド支援の姿勢を変えさせることを要求するのではないか、と思います。クルド問題についてトルコが満足いくような解決策が出されない限り、エルドアンは首を縦に振らない可能性があります。
しかも、このような状況下で、バイデン政権はシリアにおいてトルコと敵対するクルド勢力を支援する政策を発表しています。5月13日、米政府はこれまでの方針を転換させ、シリアに対する経済制裁の一部を緩和して、シリア北東部の経済復興や開発のための投資を認める方針を発表しました。
この制裁緩和措置は、「アサド政権が支配していない地域」を対象にしており、具体的には、シリアのクルドYPG(PKKの姉妹組織)が支配している地域を指しています。これは言うまでもなく、シリア北東部の広大な地域を武力で支配下においているクルド勢力の支配を固定化させることにつながるため、トルコは猛反発しています。
ということで、しばらくエルドアンはこの問題で暴れ、欧米諸国から妥協を引き出しつつ、プーチンには貸しをつくろうとするのではないかと思います。う〜ん、ストルテンベルグはトルコの反対は問題ないという見解を示していたが、そう簡単な話ではないか。対トルコ制裁としての武器禁輸はすぐに解除できそうなものだが…。