2022/5/17

「余白」をつくることが、キャリアのアップデートに繋がる理由

NewsPicks Brand Design Senior Editor
仕事の「現場」から得られる学びは、とてつもなく大きい。ただ、それだけでは十分な成果を得られないフェーズに時代は入っているようだ。

コロナのパンデミック以降は、テクノロジーや考え方、働き方といったビジネスの前提が著しく変化している。そしてイノベーションやソリューションは、その変化の過程で生まれる。したがってビジネスで成果を出すには、変化によって変わるプロトコル(仕組み)をスピーディにインプットすることがポイントとなる。

ところが先端的なスキルや考え方は、まだきちんと言語化・体系化されていないことも多く、仕事の現場での学びだけではキャッチアップができない。

では、どうすれば「現場以外での学び」を、スピーディに身につけられるのか。世界で18.5万本以上の動画コンテンツを提供し、4900万人以上が利用するオンライン学習プラットフォーム「Udemy」の日本事業責任者である飯田智紀氏に、現場以外でどう学ぶべきかを聞いた。
INDEX
  • 目の前の課題を解決する「学び」から始める
  • Udemyは「MUST」の学びに最適
  • Udemyの学びによって「可能性」を広げたビジネスパーソン
  • 発信することで学びの共有が起き、インプットの効率も上がる
  • 第一人者からの学びが、業務の自信になる
  • ビジネスの「暗黙知」を体系化する

目の前の課題を解決する「学び」から始める

──ビジネスの世界で成果を出すには、現場の学びだけでは不十分なのでしょうか。
飯田 もちろん、現場での学びはとても重要です。
 しかし、コロナ禍によって、今後はさまざまな場面でデジタルリテラシーが必須になることが明確になったように、現代ではビジネスの“前提条件”が刻一刻と変化していきます。
 したがって、経験や勘だけで成果を出し続けるのは、今後さらに難しくなっていくのではないでしょうか。
 だからこそ、リカレント教育(※1)や自律的なリスキリング(※2)の重要性が、より増してきているといえます。
※1 学業を終え仕事に就いても、生涯学び続けていくこと
※2 技術革新やビジネスモデルの変化に対応するべく、新たに知識やスキルを学ぶこと
──ただ、仕事が忙しくて、それ以外での自己学習をする余裕がないという人は多いと思います。何とか頑張って始めてみたはいいけど、続いたり、続かなかったり……。
 確かに、生活にある程度の“余白”がないと、自己学習を続けるのはなかなか難しい。
 また、いきなり自己学習といわれても、何を学べばいいかが見えてこない方も多いと思います。そんな方にぜひ取り入れていただきたいのが、「MUST」の学びです。
 MUSTの学びとは、いま仕事で必要とされているスキルや知識を習得すること。わかりやすく言えば、目の前の業務の負荷を減らして、楽になれる学びです。
 まずはMUSTの学びを“えいや!”と始めてしまい、今まで5時間かかった作業を4時間で、5日かかったところを4日でできるようにする。
 そこで生まれた余白を使って本質的な学びを得たり、あるいは今後何をどう学んでいくべきかを腰をすえて考える。
 そんなふうに、まずは余白を生み出すことが、自己学習を習慣化できるかどうかの分岐点になる気がします。

Udemyは「MUST」の学びに最適

──大人の学び直しというと、何かしら自分の強い意志、つまり「WILL」が必要かと思っていました。
 学び直しを「WILL」を起点にやるのは、本当に理想ですし、すごいドライバーにはなる。
 でも、「WILL」を探すのに一生懸命にならなくてもいい。必ずしも目的地から全て逆算できるわけではないので、それを見つけるための学びでも全然いいと思います。
 そもそも、日々の業務に忙殺されていたら、自らをメタ認知するとか、キャリアや仕事を棚卸しするとか考えられませんよね。
 なので、生産性の向上というか、日々の自分の負荷を減らして、ゆとりを持つための「MUST」の学びは一つのきっかけになると考えています。
──ただ、「MUST」の学びをしようと思っても、そのなかには、まだ体系化されていないものもありますよね。たとえば「オンライン上のマネジメント術」や「まだ日本にないプログラミング言語」とか……。
 それを解決する手段の一つが、Udemyのような「CtoCのオンライン学習プラットフォーム」です。
 Udemyでは、そのテーマについて自ら学んだ体験を持つ個人が動画講座を作成し、それを学びたい個人が視聴します。
 BtoCではなくCtoCだからこそ、非常に多様なテーマのコンテンツを揃えられるため、内容も経験者ならではの実践的・実用的な内容となっています。
 “かゆいところに手が届く”という意味では、同業の友人や会社の先輩に、プライベートで教わる感覚に近いかもしれません。
 かといってレベルが低いわけではなく、実際にグローバルレベルで成果を出した「実務家」が講座を担っている点も、Udemyの強みです。
 今後はビジネスの世界がより多様化・複雑化し、体系化されていない先端的なスキルや、言語化されていないニッチなスキルに対するニーズも一層高まるでしょう。
 だからこそ、こうしたCtoCプラットフォームは、非常に重宝するはず。
 Udemyの検索窓に気になるキーワードを打ち込むと、何らかの学びのきっかけが必ず見つかる、というようなイメージを作っていきたいですね。

Udemyの学びによって「可能性」を広げたビジネスパーソン

実際にUdemyを通じ「現場以外」での学びを得ることで、大きく飛躍したビジネスパーソンがいる。それが、パーソルキャリアの佐々木慶太氏住友商事の細井岳氏だ。

ここからは、この2人に仕事をしながらどう学びを継続したのか、またどんな変化が起こったのかを聞いた。あわせて、彼らが実際に学習したUdemyのおすすめ講座3選も紹介する。

※以降の内容は2021年12月3日に開催した「Udemy Business大感謝祭~三日坊主座談会~」より採録・編集したものです。

発信することで学びの共有が起き、インプットの効率も上がる

 転職支援や人材のアウトソーシングを行う総合人材サービス会社・パーソルキャリアに勤める佐々木氏
 彼がUdemyを利用するきっかけとなったのが「異動」だった。
「前部署からデジタルテクノロジー統括部への異動にともない、テクノロジーで業務改善を行う、リードストラテジストに就くことになりました。
 ところが自分はテクノロジーへの理解が浅く、エキスパートの多いチームの中で、これという“武器”を当時は持っていませんでした。
 これはまずい、と必要に駆られたこともあり、いっそこの機会にスキルを身につけようと決めたんです」(佐々木氏)
 焦る佐々木氏は、マイクロソフトのパワープラットフォームについて学ぶべく、まずUdemyの講座『Microsoft Power BI - Power BI Desktop入門講座』を受けた。
 それを皮切りに、業務に直結しそうなテクノロジー関連の入門講座を、複数受講した。
「おかげで、ノーコードやローコード、RPAに関する知識を身につけ、それが今や自分の“武器”となった。また、その強みを通してお客様に貢献できている実感も持てています」(佐々木氏)
iStock / kadirkaba
 とはいえ、仕事をしながら学びを継続するのは、なかなか一筋縄ではいかない。いかにして、モチベーションを保てたのだろうか。
「勉強は、平日夜に行っています。仕事の後なので疲れているときもありますが、モチベーションの支えとなっているのが、自らが発信することです。
 実は一度、自分の学びを20人くらいの同僚に教える会を開いたところ、とても感謝されたことがありまして。今ではその規模を拡大し、参加者が学びを共有し合う勉強会を定期的に開催しています。
 そうして学ばざるを得ない環境を作ったことで、結果的に学ぶ意欲が高まっただけでなく、インプットの効率もグンと上がった気がします。
まさしくアクティブラーニングですよね」(佐々木氏)

第一人者からの学びが、業務の自信になる

「小心者な性格もあって、自分の仕事になかなか自信が持てなかった。
 それを解消するには、再現性のある領域を体系的に学び、可能な限り第一人者の経験・知見を知っておきたい」。
 そう考えたのが、大手総合商社・住友商事の細井氏だ。 彼はもともと金属製品の通商を行う部門に所属していたが、自ら志願してデジタルソリューション事業第一部(DXセンター)へ異動。
 現在はDXセンターの一員として、テクノロジーを活用しながらメディア事業会社の課題解決を行い、企業価値を高める業務に就いている。
 そのなかで細井氏が学びの対象に選んだのが「プロジェクトマネジメント」や「ファイナンス」だ。
 デジタルだけでなく、企業価値を高める手法を多角的に学ぶことで、新規事業開発における企業支援をアクセラレートできる人材を目指したのだ。
iStock / Natee Meepian
 特に、現在の業務であるベンチャー投資支援やメディア関連事業の効率化には、ウェブ及びアプリサービス開発の手法や、財務モデルの構築にかかわる知識は必要不可欠。
 しかし、それらを体系的に学べる講座は数少ない。そこで、細井氏はUdemyの講座を横断的に学び、体得していった。
「まずはそのテーマに“入り込む”ことが重要だと思ったので、なるべく自分が面白いと思えるものから受講していきました。
 その点、Udemyは検索機能が優れ、講座の説明やゴールイメージ、ユーザー評価も詳しく載っているので、目当てのものを選びやすかった」(細井氏)
 こうした自己学習は、毎日の出退勤の2時間と、土日の空いた時間で行っている。継続性の秘訣について、細井氏は独自のメソッドを取り入れているという。
「学びを持続させるために、これまで学んできたプロセスを振り返ったり、学びによって実現する自身の姿をイメージしたりする『学びのごちそう化』という作業を、意識的に行うようにしました。
iStock / metamorworks
 どうしても疲れてしまったときは、無理に講座を受けても頭に入りにくいので、自分を振り返る時間に充てます」(細井氏)
 そうして学び始めて、明確な変化を実感するようになる。
「以前は伝統的なやり方にそった知識や、自己流に固執したために自信が持てないこともありました。
 しかし、講座を通して第一人者から最新状況をインプットできているため、自信を持って業務を進められるようになりましたね」(細井氏)

ビジネスの「暗黙知」を体系化する

 VUCAと呼ばれる時代になって久しい。
 このような変化が激しい時代においては「学び続けること」が成功条件として、いよいよ欠かせないものとなっている。
 だからこそ仕事の現場からの学びに限らず、必要な学びを、必要な時に学べる仕組みを知っておくことが、大きなアドバンテージとなる。
 Udemyは、そんな時代に適した学びを提供していく。あらゆる学びのスターティングポイントとなり、学び続けるためのインフラを目指す。
「Udemyは、ビジネスにおける暗黙知を言語化し、誰もがアクセスできるような状態にしたい。
 そういったスキルが世の中に浸透していき、発揮できる人が増えると、社会全体としてパフォーマンスが上がる。
 暗黙知でとどめるのではなく、共有財産にすることで、人の価値も高めていけるような社会を作っていきたいですね」(飯田氏)