米FRB、0.5%大幅利上げ インフレ抑制へ22年ぶり
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今回は典型的な織り込み済。
ここで抑えるべきは、
①利上げとQTの本質的な目的
②マーケットの織り込み度合い
③向こう一年程度のマーケット想定
①FRBの本質的な目的は「利下げとQEのバッファー構築」
年後半には現状のインフレ、ウクライナ情勢に加え、米中間選挙ほか不確実性は増すばかりでもあり、FRBは来年以降のリセッションリスクに焦点を当てているとみます。(政権の弱体化により財政の下支えには期待できません)何故ならば、早ければ10月以降にリセッションサインが点灯(FRBは3ケ月債金利に注目)、その時にどれだけ政策対応できるバッファ(利下げとQEの余地)があるかがスタグフレーションを防ぐポイントだからです。ただインフレが落ち着いていなければ利下げの検討余地がないわけであり、秋まではマーケットを度外視してインフレを落ち着かせるべく利上げを早めていくことでしょう。
②マーケットでは急ピッチな利上げの先にあるリセッションリスク、そしてリセッションに対応するべくFRBが利下げに転じる時期を読み始めています。しかも早ければ1年後からとの予測もあります。CTA等ヘッジファンドの自動売買により、マーケットの変遷、織り込みスピードは飛躍的に早まっています。1年で起きる流れが1ヶ月から3ヶ月に凝縮されているイメージです。
AIアルゴも当然利上げの先にあるリセッション&利下げも織り込み始めているわけです。
③米株マーケットは幅の広いレンジ想定
ジェットコースターの如くアップダウンを繰り返すのがメインシナリオでしょう。
ただし今回は欧州でも同様に利上げ&QT政策が取られる蓋然性が高く、そうなれば米欧同時利上げ&QTとなり、緩和マネーフローはさらに縮小します。一層不確実性が高まるかたちとなり、マーケットは常に崩落リスクと背中合わせの展開となりそうです。アルゴAIのフラッシュトレードや要人の一言で突如崩落することに留意し続けなければなりません。
パッシブからアクティブへ、インデックス運用から個別対応へ、グロースから本質的なバリューへ、ポートフォリオをリバランスする必要があります。
ニュースフローに右往左往せず、
利上げとQTを正しく恐れ、
ポートフォリオの冗長性を維持しつつ、
臨機応変に、対応することが肝要です😎
注目のコメント
米FRBによる大幅利上げによる自国経済への影響を懸念してきた中国共産党。
国営の中国中央電視台(CCTV)は5月4日(水)の朝番組でFOMCの模様を速報。ローレンス・サマーズ元財務長官とアレックス・ドマッシュハーバード大調査アソシエイトが5月2日(米東部時間)に共同で発表した論考(https://www.marketwatch.com/amp/story/the-fed-cant-prevent-a-recession-larry-summers-and-his-co-author-say-11651503567)を引用する形で、「インフレ率が8.5%、失業率が3.6%の現状下で、FRBが利上げによって経済を軟着陸させるのはほぼ不可能であり、むしろ経済を衰退させる可能性がある」と”主張”、米国当局の経済政策を牽制しました。
ウクライナ危機とロックダウンが景気にもたらす下振れリスクに立ち往生する中国共産党は、引き続き「比較的高い成長率と比較的低いインフレ率」を前提にマクロ政策を打っていくものと思われますが、先行きは不透明です。さっさと利上げして来るべき経済停滞の準備のための利下げ余地を作る。
これがコロナの時もうまく機能した。中央銀行の鑑ですね。市場では22年ぶり0.5%は織り込み済みで6月利上げ0.75%予想が一時50%となっていたなか、ブルームバーグが前日に「0.75%利上げ巡る質問への回答に注目」との記事を出していたように6月利上げの水準が市場争点でした。結局、パウエルFRB議長は0.75%利上げを積極的に検討しているものではないとコメント。それを受けて株価3指数は大幅反発、長期金利は下落、ドルも下落、恐怖指数VIXも大きく低下しています。本日以降は、今回の利上げがインフレ抑制に効果をもたらすかどうか、景気後退懸念が顕在化しないかという、より重要な争点に焦点が移ってきます。