米最高裁 中絶権認めた判断覆す文書 “本物だが最終でない”
NHKニュース
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アメリカで人工妊娠中絶の権利をめぐる争いは、女性の選択の権利を重視する「Pro-choice」と、胎児の命に介入しないことを重視する「Pro-life」の争いです。
前者のリベラル派にとっては、1973年の「ロー対ウェイド事件」で最高裁が人工妊娠中絶の権利を認めた判決は運動の礎石のようなもので、後者の保守派はあらゆる機会を狙ってリベラル派の礎石を引っこ抜こうとしてきました。その運動が両者の分断が深まったここ10年ほどの間に激しくなってきたという流れがあります。
もともと夏に判決が出ることは予想されていました。その内容も、連邦最高裁の判事の構成をみれば「ロー対ウェイド」を何らかの形でくつがえす内容になるものになるだろうことは想定の範囲内だったと思います。ただ草案の事前リークという異常な形で早くその内容が漏れ出たことが、リベラル派の怒りの度をどの程度増すのかどうか、秋の中間選挙に向けてリベラル派の熱量をさらに高めるのかどうか。また連邦最高裁からのリークに対するリベラル派、保守派双方の「犯人捜し」も熾烈なものになりそうな予感がします。最高裁からリークされたことで、この問題の政治性が浮き彫りとなるが、誰がリークしたのかも話題になっている。リベラルな職員が事前に警告して判断を覆すためなのか、保守的な職員がアリート判事の見解を広めるためだったのか。
中間選挙の年なので、バイデン大統領も民主党も共和党の方もこの判決見通しやリークについて、いかに政治的に利用できるかどうかを考えての発言をすでに繰り返しています。