[3日 ロイター] - 米製薬バイオジェンは3日、ミシェル・ボナッソス最高経営責任者(CEO)が退任すると発表した。同時に、日本のエーザイと共同開発したアルツハイマー病治療薬「アデュヘルム(一般名:アデュカヌマブ)」事業の縮小も表明した。

アデュヘルムを巡っては、米国の高齢者向け公的医療保険「メディケア」当局が4月に保険適用を臨床試験の参加者に限定する方針を最終決定。また、バイオジェンは同月、欧州医薬品庁(EMA)への販売承認申請を取り下げている。

バイオジェンはこの日、アデュヘルムに関連する商業インフラの「実質的」な廃止を検討しており、一段のコスト削減を計画していると明らかにした。

ボナッソス氏は2016年にCEOの指名を受けた。同氏の下でバイオジェンは脊髄性筋萎縮症(SMA)や多発性硬化症の治療薬など、収益の柱となる医薬品を開発してきた。ボナッソス氏は、後任が決まるまで職務を続ける。

アデュヘルムは収益の次の柱として期待されていたものの、有効性が疑問視される中で、販売の行方に大きな疑念が出ていた。

第1・四半期のアデュヘルムの売上高は280万ドルと、市場予想を下回った。アデュヘルムの在庫評価損として2億7500万ドルを計上したことが収益を圧迫。特別項目を除く1株当たり利益は4.38ドルと、アナリスト予想と一致した。

ボナッソス氏は、バイオジェンは引き続きアルツハイマー病治療薬の開発にに取り組んでいくと表明。エーザイと共同開発しているアルツハイマー病治療薬候補「レカネマブ」に期待していると述べた。