CureApp、「高血圧治療補助アプリ」が薬事承認を取得
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医療機器の承認のルールですが、日本では体内に入れるもの(例えばペースメーカー)から、本当に些細なアップルウォッチに搭載されるアプリや体温計に至るまで、診断や治療に関連するもののすべてに対して医療機器の承認をとることが求められています。
医療機器のクラス分類は、リスクの程度により4段階に分かれています。クラスⅣ(高度管理医療機器)は、患者への侵襲性が高く、不具合が生じた場合生命の危険に直結する恐れのあるもの。クラスⅢ(高度管理医療機器)は、不具合が生じた場合人体へのリスクが比較的高いと考えられるもの。クラスⅡ(管理医療機器)は、不具合が生じた場合でも人体へのリスクが比較的低いと考えられるもの。クラスⅠ(一般医療機器)は、不具合が生じた場合でも人体へのリスクが極めて低いと考えられるものなどです。
医薬品では承認と保険適用(保険薬価収載)はほぼ連続して行われます(ワクチンなどの予防薬やバイアグラの不妊治療以外への用途など、保険適用に適さない場合は例外として認められません。)一方、医療機器はそうでもありません。
近年、アップルウォッチで初適用が認められた心電図モニタープログラムは医療機器として承認を受けました。その結果、日本でも搭載して販売できるようになったとされます。しかし、アップルウォッチは保険適用として3割負担では買えません。例えば体温計は医療機器の承認をとらなければ医療機器として使えませんが、やはり保険適応で買うことはできません。
同社は保険適応を目指しています。アプリが「医薬品の代わりになる」ことを証明することが保険適応の条件になりそうです。ここには相当に高いハードルが存在すると思いますが、もし取得できれば販売額は大きく上がると思います。研究や治験という管理された環境から、現実社会にこの治療法が導入された際に、どの程度の血圧を下げる効果が見込めるかが気になりますね。
薬を毎日飲む行為と、アプリを毎日使う行為のハードルの高さは人によって異なります。どれ位の医師と患者両方がアプリを使い続けることができるかに、治療効果とビジネスとしての成功がかかっていると思います。CureAppはデジタルセラピューティクス(DTx)で初めて薬事承認を取得した企業。2020年8月にニコチン依存症治療アプリで初めて取得し、同年12月に保険収載されています。今回は第二弾として高血圧治療アプリが承認され、同分野のDTxは世界で初めての薬事承認取得になると思います。
CureApp サイト:http://www.cureapp.co.jp/
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000090.000015777.html
他にDTxに取り組んでいるスタートアップでは不眠症治療アプリを開発するサスメド。今年2月に販売承認を厚生労働省に申請しているほか、すでに塩野義製薬と販売提携契約も締結しています。
『不眠症治療アプリのサスメドが承認申請へ』
https://newspicks.com/news/6647591