大阪・関西万博 落合陽一氏、鏡面の「未知の風景」持つパビリオン
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2025万博、落合プロデューサーのパビリオンをnoizで設計することになりました。
僕はこの大阪関西2025万博では、誘致段階の会場計画を担当させていただいていて、その時も正直最初は「いまさら万博なんてオワコンじゃないか」と思ってました。ただ、様々な新しい技術、特にデジタル技術をただデジタル領域で閉じるのではなく、いかに実空間と連携させることで(いわゆるサイバー・フィジカル連携)、どちらかだけではない新しい産業や体験が開拓できる現在ならではの可能性を考えると、万博という「仮設都市」を短期間だけ建設して、住民や常設のしがらみなく、多くの業態や人、サービスが混在しながら社会的な実証実験をとことん行い、普通では取れないような実証データや試験実装をひたすらやりつくすという点で、これ以上の機会とタイミングはないということに気付いてきました。それ以来、僕はずっと2025万博激推しで過ごしています。
コロナ禍、今はさらにロシア情勢などもあり、世界の先行きが全く読めない、ともすれば悲観的になりがちな状況ですが、だからこそ次の世界への戦略的な投資と通常ではできない複合的な開発を、万博という千載一遇の言い訳を最大限に活用してとにかく「やってしまう」のが重要です。この機会を逃したら、おそらく日本社会の総体的な下降傾向は歯止めが利かなくなる(下がること自体にも相応の価値があり、それが絶対的な悪だというつもりもありませんが)。
そんな万博への新しい社会的・技術的プラットフォームの仮実装などを推進するのと同時に、パビリオンのデザイン、それによるテーマ事業チームとの協働や世界観のビジュアライズ、より複合的でチャレンジングな体験の共有なども、こうした形で積極的に働きかけていきたいと思います。
予算も限られていて、いろいろ動きづらい社会情勢ではありますが、そんな中だからこそパッと先が開ける、何か次が垣間見えるようなパビリオンにしていくことが求められているのかなと。
この落合パビリオンの名前はnull²、ヌルヌルと読みます。nullとはプログラム言語で無を意味する単語で、とてもデジタルであると同時に無の二乗という非常に東洋哲学的な概念も体現しています。鏡面仕上げのボクセルの集合体は、実際にヌルヌルと変形する予定で、来場する人を異次元へと引き込む入口のようなパビリオンにしたいと思っています。