2022/4/25

【完全解説】円安について本当に知っておきたいこと

NewsPicks CXO
これは過去20年間、いや、50年にわたる日本の歴史物語。
そう、円安のことです。
短期的に1ドル=いくらになるのかを予測するような、テクニカルな為替の特集ではありません。
わたしたちは今、一体どこにいて、どこに向かうべきか?
円安が最終局面を迎える今、普段使っている「円」という為替の話を通じて、明らかにしていきましょう。NewsPicksが総力を挙げてこれまで伝えてきた話が、すべてつながるはずです。
INDEX
  • ①円安ってダメなんだっけ?
  • ②「50年前」に逆戻り
  • ③竜宮城と浦島太郎
  • ④新興国のような発展モデル
  • ⑤日本人が選択したこと
  • ⑥円安はまだ進む?
  • ⑦円安を止める方法

①円安ってダメなんだっけ?

いま、円安が話題です。
言ってましたよね。「円高不況」なんて言われたりしていました。
それは日本の製造業が、海外に輸出するときに、円高だと苦しいから、でしたよね。
簡単におさらいしておきましょうか。
1ドル=100円なら、円に交換したら300万円になる。
これが1ドル=80円と円高になったらどうでしょう。円に交換すると、240万円にしかならないですよね。
逆に、アメリカで1ドルのモノを、100円払わないと買えなかったのが、80円で買えるようになったら、日本人にとっては「安く」感じる。
つまり円の価値が上がったってこと。それが円高ですね。
生活者だけじゃありません。国全体でみても、実は「円安のほうがいい」とは言いにくい。
考えてみてください。
そもそも日本ってどういう国かというと、ガソリンなどの「資源」がない。外国から買っている国ですよね。食料自給率も低い。
つまり円安が進めば、ガソリンや食品といった生活必需品の値段が、どんどん上がっていくことになる。
円安が進む状況というのは、こうして日本が海外からモノやサービスを買ってくる購買力が、どんどん落ちていくってことなんです。
多くの輸入品や外国のサービスを消費している日本人の生活レベルは、みるみる低下していくでしょうね。
昨年末、『WEEKLY OCHIAI』で落合陽一さんが、そんな未来予測をサラリと述べていましたが(14:22頃)、その意味を理解していた人が、どれくらいいたでしょうか。

②「50年前」に逆戻り