2022/4/8

【完全解説】ウクライナで今後起きる「シナリオ」を総ざらい

NewsPicks編集部
あまりに凄惨な光景が、ウクライナの地に広がっている。
ロシア軍が侵攻してから早くも40日あまり。戦闘は激しさを増す一方だが、4月に入り新たな局面を迎えつつある。
ロシア軍は4月6日、苦戦が続いていた首都のキーウから完全に撤退。そしてロシア軍が去った後のキーウ近郊では、数百人単位で虐殺された民間人の遺体が路上で見つかっている。
ロシア軍のキーウ撤退は、何を意味するのか。なぜ、非武装の民間人は虐殺されたのか。そして今後起こり得るシナリオは──。
ロシアの安全保障が専門の山添博史 防衛研究所主任研究官による分析をお届けする。
4月に入って大きく動いた情勢を、5分でアップデートしよう。
INDEX
  • Q1:足元の戦況は?
  • Q2:なぜ、ロシア軍は苦戦している?
  • Q3:市民の虐殺は、なぜ起きた?
  • Q4:核、化学兵器の使用はあり得る?
  • Q5:アメリカの介入は今後もない?
  • Q6:戦闘はいつまで続く?

Q1:足元の戦況は?

ロシア軍はこれまで、北部、東部、南部の3方向から侵攻していた。首都のキーウにも大規模に部隊を展開し、首都陥落やゼレンスキー政権の崩壊をもくろんでいるとされてきた。
しかし、4月に入ってからロシア軍はキーウから撤退し始めた。これは何を意味するのか。
A1:キーウから完全撤退で東部に専念へ。戦争目的も変更か