[1日 ロイター] - 米金融大手JPモルガン・チェースのアナリストらは1日、米アップルと米半導体大手クアルコムを最も強く買い推奨をする「アナリスト注目リスト」から外すと明らかにした。スマートフォン需要の減速が両社の成長に打撃となると見込まれるためと説明した。

アナリストらは、新型コロナウイルス対策による中国での新たなロックダウン(都市封鎖)やウクライナ紛争による物価上昇が2022年のスマホ需要に打撃を与える可能性があると警告した。

JPモルガンのアナリスト、サミック・チャタジー氏は、中国でのゲーム業界の減速がアップルの重しとなる可能性があり、消費支出の鈍化が最近のiPhone(アイフォーン)SEの新型モデル発売による高い期待感を抑えるとの見方を示した。

日本経済新聞は先月28日、アップルは既に需要減のため、iPhoneとワイヤレスヘッドホンのAirPods(エアポッズ)の生産台数削減を計画していると報じた。

チャタジー氏は、クアルコムがスマートフォン市場で低・中価格帯のアンドロイド端末の販売低迷の影響を受ける可能性が高いとし、「世界のハイテク企業の需要低迷が騒がれているのは当然だが、マクロ経済の弱さがこの分野に浸透し、消費者の購買に大きな影響を及ぼすと確信している」と表明した。

JPモルガンは、アップルとクアルコムのより長期的な予想に基づいて、「買い」に相当する「オーバーウエート」の評価を維持している。

JPモルガンは消費者需要が減速する中でも通信・クラウド関連消費への需要が比較的底堅いとして、ネットワーク機器企業のアリスタネットワークス とシエナ を注目リストに追加したと明らかにした。