[ 24日 ロイター] - ロシア軍の侵攻の影響で、黒海やアゾフ海で外国籍の商船100隻以上が立ち往生している。業界関係者によると、危険な状況下での待機が長引き食料や医薬品が不足、乗員は厳しい状況に置かれている。

英ロンドン海上保険市場は今月、ロシア軍の攻撃が激しさを増していることを踏まえ、黒海とアゾフ海の高リスク海域をさらに拡大した。

国連機関は、両海域で安全な航行ルート確保に取り組むと表明したが、すでに商船5隻が攻撃を受け、うち1隻が沈没する事案も起きている。

船員が退避できた例もあるが、戦闘で足止め状態ので外国籍船は約140隻ある。これらには20カ国から1000人以上の船員が乗船しており「紛争の巻き添えになっている」と業界団体幹部は述べた。

同幹部によると、20人が乗船するルーマニア籍の船は食料などの物資が3日分しか残っておらず、物資補給を試みている。

また戦闘の影響で少なくとも船員が2人死亡。ただ、詳しい数字はまだ確認中としている。

国際運輸労連の幹部は、物資の減少で外国人乗組員の不安が高まっていると指摘。「港によっては、食料確保が競争になっていることを認識しなければならない。沿岸地域では防衛に当たっている人もおり文字通り死活問題だ」と述べ、停泊している外国船への物資補給が困難な状況と説明した。安全な海上ルートの構築には時間を要するとの見方を示した。