ゼレンスキー大統領が国会演説 ロシアに対する制裁継続求める
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前半、原発が占拠されたことへの危機感と、このことを含む戦後の環境調査の必要性を訴えました。直接の言及はなかったと思いますが、こうした技術分野での支援を日本に期待しているように感じました。
後半は日本のソフト・パワーに関係するワードが相次ぎました。日本の支援に感謝しつつ、日本の発展が環境、調和と文化に支えられ、好感を持っていることを強調。日本の昔話が、大統領の妻も関わった視覚障害者用のウクライナ語版オーディオブックになっている話にも言及しました。具体的なエピソードで、日本とのつながりを身近に感じさせた形です。
私たちの取材では、演説の原稿は日本時間16時頃まで推敲されていたようです。とても落ち着いた口調で、軍事支援などで具体的な言及がなかった点で、日本の立場を理解した内容だったと思います。外から急いで帰ってきて、リアルタイムで、拝見しました。
日本に向けては、
・日本がアジアで最初にロシアに圧力をかけた国であること。
・機能不全を露呈した国連(安保理)の改革が必要で、新しい「予防的ツール」(仕組み?)の創設、そこに日本の主導的役割を期待すること。
・日本の調和を生み出し、それを維持する力に敬意を抱いていること。
・環境や文化を守ろうとする日本人の意識に共感すること。
がメッセージとして伝えられました。
また、今回のウクライナ戦争(ロシアによる侵略)については、
ロシアによる武力行使やそれによる物的・人的な損害だけでなく、ロシア軍が原発の施設や汚染物質を埋めた敷地などを戦車で無差別に蹂躙したことによって生じる環境汚染に対する深刻な懸念が示されました。
およそ12分間の演説でしたが、ポイントをついていて、とても印象的な内容でした。
また、冒頭の細田衆議院議長の挨拶は、やや事務的な型通りのものでしたが、締めの山東参議院議長の挨拶は、その分劇画調でデフォルメが効いていて海外の方には思いが伝わりやすかったのでは、という印象を持ちました。
日本の対応は、林外相が青みがかったスーツに黄色いネクタイで最前列に陣取るなど、総じて、ロシアに対する配慮は皆無で、気持ちの良いものでした。日本が、戦後の(ロシアを外した)新しい国際秩序を見据えて、舵を切っていることがよく分かりました。
*演説の動画は↓
https://youtu.be/h6y69mgZO_Y大統領のスピーチ力もとてもレベルが高いのでしょうけど、大統領を中心とした政権全体の能力の高さに驚かされます。
各国の国会という効果的な場所でのスピーチを各国と調整しきる能力。
その他SNSなどをフルに活用し、国内の求心力はもちろん国際世論までも惹きつける努力。
兵器を含む各種の支援を引き出す交渉もおそらくトップレベルで頻繁に行われているはず。
実際の戦闘は軍幹部に委任しているにしても、各都市での戦闘状況や市民退避の段取りなどもモニターし、各所との調整は行なっているはず。
これらを、凄惨な状況にあるキエフに踏みとどまったまま行なっている大統領とスタッフは凄まじい人たちです。
いったい何人のスタッフでこなしているのでしょうか。
自分の会社のことを振り返り、さらに我が国の政治の中枢をふり仰ぐと、あまりの違いに慄然とする思いです(状況は全く違うのですが)。