バイデン米大統領、習近平国家主席とロシア巡り18日に協議へ
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ロシアのウクライナ武力侵攻が長期化するにつれて、中国は苦しい立場に追い込まれています。米国の一極体制を崩し多極化する(中国とロシアが加わる)という目標において中国とロシアの方向性は一致していますが、国家目標は同一ではありません。あるいは、国家目標達成の戦略が異なると言った方が良いかも知れません。中国の国家目標は、現段階では、国際社会において米国に並ぶ支配的な地位を得ることです。「現段階では」という限定をつけたのは、中国がさらに協力になった場合に、どのように考えを変えるか分からないからです。中国はその国家目標のために、現在でも、自らの標準、ルール、規範を国際社会に実装しようとしています。現段階で国際社会から批判され孤立してしまっては、中国の国家目標達成はままなりません。表立ってロシアのウクライナ武力侵攻を支持することが難しくなっているのです。すでに、中立的な第三者の立場を装う中国に対して国際社会の批判が始まっています。
一方のロシアは、経済的には規模が小さくなっており、他国や地域に影響力を行使できるのは軍事的手段以外にありません。プーチン大統領は、ロシアの大国としてのステータスにこだわっていますが、国際社会における指導的地位を得ることは現実的ではありません。そのロシアは、中国に対空ミサイルやドローンといった武器装備品の支援を求めています。ロシアが本当に軍事的に困窮しているのかどうか正確には分かりませんが、それよりも中国に対して明確にロシアを支持する立場を示せ、という要求でもあることが重要です。
米国は、中国に対して、ロシアを支持したら経済制裁を強化するというメッセージを伝えるでしょう。全人代の政府活動報告を見ても、中国経済が厳しい状況にあることが分かります。ここで欧米からさらなる経済制裁をかけられれば、2022年の経済成長目標の5.5%も達成できなくなります。3期目の共産党中央委員会総書記の座を狙う習近平氏にとって、経済の失速は致命傷になりかねません。
プーチン大統領は軍事的に目標を達成できたとしても戦争には負けつつあり、中国はロシアと共に沈みたくはないでしょう。
プーチン大統領を敗戦に追い込んでいるのはウクライナ軍と国民の頑強な抵抗です。その血の犠牲の上に民主主義や国際秩序が守られていることを考えれば、日米ともに中国の対ロ支援を阻止する努力も必要だと思います。中国が鍵。ただ、中国の動きは難しいところ。ロシアを支援したらアメリカなどからの制裁と国際社会からの猛烈な非難。一方でプーチンを見捨て、政権転覆となった場合、ロシアにいずれ親米政権ができるかもしれません。
また、ポイントとなるのがロシアへの厳しい態度を中国に確約させることで、アメリカの対中姿勢が軟化するのかどうか。それが中国の力ずくの現状変更の抑制にマイナスになってしまうのかどうか。中国はロシアを支援することはないと思う。が、擁護はすると思う。
今のロシアを支援すれば中国も国際社会から敵視される。そのことはわかっていると思う。しかし、ヨーロッパやアメリカと同調してロシアに敵対する立場を取るとも思えない。
勝手に推測するのだが、中国は同じ社会主義(的)思想を持つ国としてロシアを擁護し、人道支援などと表現して食糧や燃料などの物資の支援をするのではないかと懸念する。
そうして、停戦の仲介者になりロシアに対する影響力を強めてロシアを中国の属国へと囲い込む。
そうすれば、世界の資源とエネルギーの半分は中国が握ることができる…
そんなふうに考えていないか心配でならない。