【秘話】台湾の命運を握る女性リーダー、蔡英文の「横顔」
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今回のウクライナでの戦争は、中国にも台湾にも多くの教訓をもたらすでしょう。ただ、中国はロシアではないし、台湾もウクライナではないので、そこは混同されるべきではありませんが。
ウクライナがここまで善戦しているということは、台湾には大いに参考になるでしょう。台湾の防空システムなどは、ウクライナよりもはるかに充実しています。やはりウクライナから見てとれるのは、国民が一致して抵抗を続ければ、そう簡単に全土が制圧されることはない、ということでしょう。
国内の分断が最大の弱点になりうることは、台湾でも十分に認識されていることでしょう。
そして、外交が戦争での優劣を大きく左右すること、欧米諸国の全面的支援があれば、バランスが大きく自陣営に傾く、ということもはっきりしました。
欧米が一致したロシアへの経済制裁の威力は、中国にとって戦慄するべきもので、中国の台湾政策を再検討させるのに十分でしょう。台湾が必要とするのも、同様の経済制裁が行われうるだけの外交関係でしょう。
蔡英文総統は、民主進歩党の中では、生え抜きというわけではありません。民進党の創始者たちは、1970年代から民主化運動や環境運動をやっていた、当初NGOとして活動していた人たちです。
蔡英文総統は、そういう背景は無くて、研究者として政府の貿易調査委員会などで委員を務めていた後、民進党の議員になりました。それがよかったのか、おそらく、民進党の生え抜きの人たちよりも、外交や貿易、国際経済に目配りがきく人のように見えます。
台湾がウクライナ以上に強力な関係を欧米諸国や日韓と結ぶのは、中国の経済力を考えれば、容易ではありません。しかし、結局、経済関係を含めた外交の積み重ねが、有事の際の命綱になる、というのが、鮮明になってきたので、台湾に必要なのも、そういう積み重ねになるでしょう。台湾の女性総統・蔡英文氏について、ウクライナ情勢との関わりも含めて、執筆させていただきました。政治・外交において、リーダーの資質や個性は、政策決定に大きな影響を及ぼします。
世界を揺るがすウクライナ危機も、つまるところ、プーチンの頭の中がどうなっているか誰もわからず、世界の専門家の全面侵攻を読みきれなかった。国際社会が不安定化するなか、各国リーダーのプロファイリングはますます欠かせなくなっています。
そんななか、台湾のように世論の変化が激しく、安全保障環境が不安定な場所で、蔡英文総統は政権担当の6年近くにわたり、安定した政権運営を続け、支持率も高く、国際的な評価も受けています。その蔡英文総統のーダーシップの背後にある知られざるパーソナリティについて報告しています。地味な印象の強い台湾のリーダー、蔡英文氏。大国・中国との駆け引きをこなす彼女の半生について、ジャーナリストの野嶋さんに寄稿していただきました。
誰もがショートリリーフと考えた中、誰も引き受け手がいないときにあえて党主席に就任してリスクをとる姿勢などは、政局ばかり読む日本の一部政治家とは違う胆力を感じます。