プーチン氏がイスラエル首相と会談-ウクライナは再交渉を7日で提案
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ロシアは世界史上、最もユダヤ人虐殺を繰り返してきた国の1つであり、そうであるからこそ、イスラエル人の多くは、ロシアから逃れてきたユダヤ人を先祖に持ちます。ベネット首相も、母方はロシアから逃れてきたユダヤ人です。
ロシアは中東においては、イランやシリア、イラクなど、イスラエルに脅威を及ぼす諸国を支援してきており、油断のならない相手です。
それで、イスラエルはロシアを敵視しているかというと、そう単純な話ではなく、イスラエルはロシアを徹底的に研究しており、ロシア経済にもユダヤ人企業家が深く食い込んでいます。
イスラエル政府の大きな関心の1つは、今もウクライナに住む40万人のユダヤ人を保護することであるのは確かでしょう。
そもそもロシアの侵攻など起きない方がよかったのですが、こうなった以上は、戦争を収束させたいでしょう。
戦争と経済制裁が続けば、中東は不安定化します。中東の国はほとんど小麦を輸入しているし、産油国以外は小麦の輸入も非常に困難になるでしょう。
ロシアの利害関係をある程度左右できて、欧米陣営ではない国となると、イスラエルと中国くらいです。フランスやドイツは、明確にNATO陣営です。中国は、明らかにロシア寄りです。トルコは、ロシアの利害関係を左右できないので、役不足です。
イスラエルも、ロシアにそこまでの圧力をかけられるわけではないですが、仲介者となると、イスラエルくらいしか見当たらないということになります。
ウクライナ政府も、仲介の期待を最もかけてきたのはイスラエルであるし、プーチン大統領も3時間膝を突き合わせて話し合うくらいには、耳を貸しています。
しかし、ロシアが首都キエフ占領の方針を撤回するほどの材料を提示できるかというと、難しいです。ウクライナの東部には、マホメットの時代(7世紀あたり)にハザール帝国というのがかつて存在していたそうです。
この国はもともと無宗教でしたが、キリスト教の東ローマ帝国とアラブ側のイスラムに挟まれた結果、そのそれぞれのルーツであるユダヤ教に国全体で改宗した。
それが、アインシュタインやフロイトなど、天才有名人を数々輩出した白人系ユダヤ人のルーツであったと言われています(なので、東地中海をルーツにする旧約聖書のユダヤ人とはやや違うらしい)。
それからのこの地域は、ユダヤとは非常に強い因縁を持つようになりました。ある時はロシア人によるユダヤの虐待があり、ウクライナ人からの虐待もあり、またその逆に、ロシア革命はもともとユダヤ人によって主導されていたとも言われおり、一気に社会をひっくり返した。
今回の戦争も、ユダヤの影響はかなり強いと思っています。イスラエルがどんな立ち位置で振る舞うのかというのは注目すべきです。
なんか古めかしい参考ページ「ロシアとウクライナのユダヤ人悲史」
http://inri.client.jp/hexagon/floorA4F_ha/a4fhb200.html
大事なのは、ユダヤ人と一言で言っても、決してそれも一枚岩ではないということ。
一般的な定義ではユダヤ教信者=ユダヤ人みたいな言われ方ですが、有色人種のユダヤを差別する白人系ユダヤ人のような内部差別も沢山あるし、イスラエル建国に反対するユダヤ人というのも沢山いました。
かなり保守的なユダヤ教信者も沢山いるが、殆ど無宗教的な暮らし方をするユダヤ人も沢山いて、そういうユダヤ人は日本人にもかなりシンパシーを感じていたりするそうだ。
やや関係ない話ですが、ガンダムに出てくる敵国が「Zion軍」というのも、シオニズムに対する批判が込められているのではという風に言う人がいますね。
国際社会的にはタブーな感じのことがコッソリこんなサブカルな世界に込められているかもしれないということに、少し驚きました。イスラエルのベネット首相とプーチン大統領との会談についてイスラエルの主要メディアでは当然に大きく取り上げています。主な内容としては、①自身もユダヤ教を信仰するベネット首相は土曜日がユダヤ教の“シャバット”、休息日にもかかわらずロシアで会談を行ったが、これは「人命救助の方が優先する」という教えに基づいたものであること、②ウクライナ侵攻以降多くの国のリーダーがプーチンとの直接の会談を望んできたがベネット首相が初めて実現したものであり、それは誇るべきものである一方、今後大きな責任を国際社会に対して担うものであることを認識する必要があること、③ロシアへの訪問はイスラエル国内でも事前には秘密裡に行われたものの、2015年のイラン核合意の西側当事者国である米国、ドイツ、フランスの3国リーダーには事前に伝えられていたこと、④会談の主な内容はウクライナ侵攻についての停戦の交渉とイラン核合意についてであること、⑤停戦交渉については大きな成果は得られなかったこと、イラン核合意については、イスラエルは2015年合意が再度再生されることには反対であるという主張を行いロシアも再合意には合意しないように交渉を行ったこと、などです。ソ連崩壊時に多くのロシア人が移民したことからイスラエルでは現在、国民の25%以上がロシア系で占められています。またイスラエルにとってイランは最大の想定敵国の一つであり(だからトランプはイラン核合意を一方的に破棄してイランに経済制裁を加えたわけですが)、ロシアのウクライナ侵攻の顛末が、イランを巡る国際情勢にも大きな影響を与えるという文脈からも懸念しています。また米Politicoではイランから原油供給が再開されるとロシアには不利になることからイラン核合意を妨害していると今朝報じています。https://newspicks.com/news/6779601?ref=user_3247901
停戦交渉自体は進展がなかったようで残念です。もっとも、上記3国のリーダーからも最初から成果自体は期待されていなかったようです。それでも大きな一手であったと分析されます。