“脱炭素を進める” 製紙メーカー 成長早い樹木の生産を本格化
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環境省によると、日本の製紙業界の2019年度の二酸化炭素排出量は、産業部門全体の5.5%を占めており、鉄鋼、化学工業、機械、窯業などの二酸化炭素排出量の多いとされる業界の次にランクインしています。
一方でバイオマス資源を古くから人のために活用してきた業界として、2050年のカーボンニュートラルを見据えてそのビジネス特性を活かした取り組みを加速しているところで、本ニュースもその一環となっています。
二酸化炭素を多く吸収し花粉の少ないエリートツリーを国内で増産し業界外へ販売したり、海外への植林も進めたりと、事業活動による環境影響の責任を取るだけでなく、事業で地球環境をより良くしようとする勢いを感じます。
サステナブルよりもさらにポジティブな再生や回生を意味するregenerative(リジェネラティブ)というワードが欧米を中心に注目されていますが、森林と深く結びついた製紙業界には馴染みやすい概念かもしれません。コロナで住宅用木材の需要が急増し、材木価格が高騰した(ウッドショック)のは記憶に新しいです。国産材の安定供給が求められているなかで、成長の早いエリートツリーの試みは注目されますね。
ちょっと気になるんですが、エリートツリーの育成においては遺伝的多様性は担保されているのですかね。
また、社有林にエリートツリーをとのことで、まさか天然林をエリートツリーに入れ替えてしまうものではないとは思うのですが、CO2ばかり考えて生物多様性が軽視されていたり...などはないですよね?
詳しい人に教えてもらえたら嬉しいな...と思いメモです。紙製品の持続可能性の議論は木の生産の方面からも、加工の方面からも盛んにされています。前者はどう持続可能な状態で一次産業を育てていけるのか、後者は非木材資源を使った紙製品の開発ができるのか。特に他産業の廃棄物を使用した紙の開発が加速すると良いですね。カフェチェーンや清涼飲料会社でも、コーヒー粕やお茶殻を使った紙製品の開発が進んでおり、本記事の品種のお話に合わせて注目です。