2022/2/6

【前途多難】メタバース転向で、メタ(旧FB)社内は大混乱

2月3日の米株式市場では、メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)が急落。一時27%安となり、時価総額にして2300億ドル(約26兆4200億円)が吹き飛んだ。

その要因のひとつとして指摘されるのが、同社が新たに注力する「メタバース」事業の先行き不透明感だ。

市場の不安をよそに、全社を挙げてメタバースにまい進する同社の内部で生じている困惑と混乱を、ニューヨーク・タイムズがリポートする。
INDEX
  • 出世したいなら「異動」が不可避
  • 「二度目の成功」が難しい理由
  • 「転換」を印象づけるCTOの交代劇
  • モチベーションを失うSNS部門
  • AR用の「データ収集」に報奨制度
  • メタバースに「水を差せない」ムード

出世したいなら「異動」が不可避

あるインスタグラムのエンジニアは、12月の休暇に向けて荷物をまとめようとしていたとき、上司から2022年の目標について話そうとバーチャル会議に呼ばれた。
話はすぐに予想外の展開になった。「目標のことは忘れてほしい」と上司は言った。そして、フェイスブックやインスタグラムの親会社であるメタで出世するには、急成長しているAR(拡張現実)やVR(仮想現実)チームの新しいポジションに応募すべきだと彼に告げた。会社が人材を必要としているのはそこなのだという。
制裁を恐れて匿名で取材に応じたこのエンジニアは、インスタグラムに3年以上勤務しており、事実上、新たな仕事探しをしなくてはならないという現実にがくぜんとしたという。まだ結論は出ていないと彼は語った。