(ブルームバーグ): 3日の米株式市場では、メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)が急落。一時27%安となり、時価総額にして2300億ドル(約26兆4200億円)余りが一瞬にして吹き飛んだ。この規模の企業としてはウォール街やシリコンバレーで経験したことのない歴史的な下げだ。

メタが2日発表した2021年10-12月(第4四半期)決算ではユーザー数の伸びが足踏み状態となった。また今年1-3月(第1四半期)の見通しは市場予想を下回った。

メタ株急落、10~12月ユーザー伸び停滞-1~3月見通し予想未達 (1)

メタの決算を受けた市場のコメントは以下の通り。

JPモルガン:

  • 投資判断「中立」に下げ(従来「オーバーウエート」)、目標株価は284ドルに下方修正(同385ドル)
  • 「広告分野の伸びが著しく減速する一方、多額の費用と長い期間を必要とする先行き不透明なメタバースへの移行を開始している」
  • 動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」との競争とアップルのプライバシー方針変更の「両方が2022年に想定以上の大きな影響を与える」

ループ・キャピタル・マーケッツ:

  • 投資判断「ホールド」に下げ(従来「買い」)、目標株価は230ドルに下方修正(同380ドル)
  • 「(10-12月期の)決算内容はひどくはなかったが、見通しはひどかった」
  • ユーザーの伸び停滞はメタ株にとっては深刻な問題だ。「投資家が抱える多くの懸念が近く解消される可能性は低く、当面は厳しい状況が続く見通し」

レイモンド・ジェームズ:

  • 投資判断「アウトパフォーム」に下げ(従来「強い買い」)、目標株価は340ドルに下方修正(同410ドル)
  • 投資判断の引き下げは「広告収入の見通し鈍化」を反映
    • 広告収入の伸びは4-6月(第2四半期)に底を打ち、下期には緩やかに再加速すると見込まれる
  • 株価のバリュエーションと長期的な成長の可能性を踏まえ、レイモンドとしては明るい見方を維持

モルガン・スタンレー:

  • 投資判断「オーバーウエート」、目標株価は360ドルに下げ(従来395ドル)
  • フェイスブックの機能「リール」はティックトックとの競争にさらされ、広告収入の面ではアップルの方針が向かい風となっている
  • ただ長期的に見れば、メタはリールの収益化が可能と予想される
  • 近い将来の不確実性は高まっているが、高い業績を実現するメタの能力にはなお強気

原題:Meta Faces Historic Stock Rout After Facebook Growth Stalled (2)(抜粋)、Meta Has Biggest Drop Ever on ‘Terrible’ Outlook: Street Wrap(抜粋)

(第1段落に追記し、第3段落以降に投資判断の変更やコメントを加えて更新します)

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