「テレビCM=認知獲得」だけじゃ、もったいない。
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「企業がテレビCMを打つ最大の目的は、売上を伸ばすことですよね。一方で、その効果を示すものとしてテレビ局から提供されるのは、世帯視聴率(GRP=Gross Rating Point)や個人視聴率と呼ばれる指標。」
昔、本件についてビデオリサーチさんとの共同研究で検証したことがあります。本記事で話題になっているGRPは広告の出稿料金を決めるくらい影響力の強い数字です。しかし、GRPと人々の認知率との相関係数は0.3程度、購入換起率も0.2程度しかなく、非常に弱い相関しかないということがわかっています [中村ら, IEICE-MVE, Sep. 2019]。
一方、深層学習を使うと我々の技術だと認知率との相関係数0.75、購入喚起率との相関0.83で予測することが可能でした [中村ら, IEICE-MVE, Sep. 2019]。
ネット広告は実際に何人の人の目に触れたとか、何%がクリックした(CTR)などの数値が高精度に取れます。なのでネット広告が好まれるわけですが、こちらもセプテーニさんとの共同研究で静止画広告のCTRを0.83 [Xiaら, IJSC, 2020]、動画広告のCTRを0.70 [Ikedaら, ICPR2020]の相関係数で予測することが可能です。
ただし、TVの影響が廃れたのかというと、SNSを分析してみるとTVの影響力は引き続き非常に大きいことがわかります。例えばある商品が紹介されると、Google検索やTwitterはその瞬間跳ね、Instagramでは実際に購入したり試したりした人がその後数週間に渡って投稿をする、ということがわかっています。NewsPicksさんに取材していただきました。もうかれこれ8年ぐらいテレビと購買とデータを混ぜこぜして、新しい広告の仕組みを模索していますが、まだまだ、テレビって媒体は科学されてないと思い、そのへんのことを話しています。
マーケティングにおいて、テレビがオワコンなのか、ただ自分たちが使いこなせていないのか、その辺り気づきになるヒントになればと。
では、率直なコメント、お待ちしています。テレビCMと聞くと、とにかく認知獲得が目的、というイメージを持っていないでしょうか。ですが今では、テレビCMも届けたい人にきちんと届けられるよう、進化しているとのお話を聞いてきました。
たしかに最近では運用型のテレビCMという言葉も耳にするようになったものの、どれくらいの精度なのか、どう効果を測るのかといった部分はモヤっとしてしまう印象もありました。
ですが今回お話を聞いたCCCマーケティングの取り組みは、皆さんおなじみのTカードの購買履歴をもとに、ターゲティングや効果検証を行うとのことで、とても明瞭!この分かりやすさは、マーケターの方にも重宝されるのでは。ぜひお読みください!