2022/1/4

【注目】小型衛星のインフラで、世界と闘う日本のスタートアップ

NewsPicks 編集部 記者・編集者
宇宙が以前にもまして、身近になってきた。
ZOZO創業者の前澤友作さんが昨年、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在したことは、多額のお金が必要ではあるものの、宇宙は民間人でも旅行に行ける場所になったことを印象付けた。
宇宙開発の主役が国から民間企業に移る中、宇宙に関連したスタートアップの話題が増えてきている。
日本でも、月面探査車の開発などを行うispace(アイスペース)が53.5億円(2021年第3四半期時点、INITIAL調べ)を調達するなど、ビジネスの分野で宇宙に挑戦する企業がビジネスを飛躍させる段階を迎えつつある。
そうした宇宙ビジネスにおいて、ロケットによる輸送、宇宙探査、宇宙旅行などとともに、近年、スタートアップの参入が相次ぎ、市場が拡大してきているのが小型衛星だ。
特に通信などの分野で急速に衛星の打ち上げが増えてきているが、今後はさらに衛星の活用の幅が広がると期待されている。
そんな人工衛星に関連するビジネスで、地味ながらも大切なインフラを提供する日本のスタートアップがインフォステラだ。倉原直美・共同創業者兼最高経営責任者(CEO)に衛星ビジネスの最前線を聞いた。

衛星基地局のプラットフォーム

──民間による宇宙開発事業が盛り上がってきました。中でも、小型の人工衛星は、スペースXが参入するなど、話題が豊富です。
倉原 現在に続く小型衛星のムーブメントが始まったのは、2010年ころでした。そこから10cm四方の超小型衛星の活用が広がる動きがあり、さらにコンステレーション(複数の衛星を協調して運用する方式)も広がってきました。
特にここ数年は、スペースXの「スターリンク」(数万基の人工衛星を使った高速通信サービス)が業界全体を引っ張っている印象で、通信の分野での利用が広がっています。
通信の分野に比べると、地球観測衛星の方は、ビジネスの広がりが少し小さく見えるかもしれません。
例えば昨年、SPACで上場したPlanet(プラネット、人工衛星から観測したデータを販売する会社)というアメリカの会社があります。小型衛星ブームが始まった2010年ごろに設立された会社です。