2021/12/25

【話題】視覚障害者と一緒に歩く「アート鑑賞」とは

Podcast Studio Chronicle 代表
「全盲の美術鑑賞者」と聞いて、どのような姿を想像するだろうか。
視覚障害のある人が、美術鑑賞なんてできるのだろうか。そう思う人もいるかもしれない。
ノンフィクション作家・川内有緒さんが出版した『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』は、全盲の美術鑑賞者として活動する、白鳥建二さんについて描いた作品だ。
白鳥建二さん/写真家・美術鑑賞家
白鳥さんは美術館の学芸員やスタッフ、友人など「目の見える人」とともに展覧会を歩く。そして「今、見えているものを教えてください」と問う。
同行者はアート作品を白鳥さんに説明する中で、自らが思った以上に、アートをしっかりと見ていないこと。そして人によって、作品の見え方が全く異なることに気づく仕組みだ。
そうしたスタイルが反響を呼び、多くの美術館から鑑賞ワークショップを依頼されている白鳥さん。
なぜこうした活動を始めたのか。視覚障害者の立場から、世界をどう認識し、記憶しているのか。また川内さんは、白鳥さんとの日々を、なぜ克明に記録しようと思ったのか。2人にインタビューを実施した。
INDEX
  • 同行者も説明しながら楽しんだ
  • 謎は謎のままでいてほしい
  • 何度も思い出して、記憶に定着させる
  • 美術鑑賞に真剣に向き合いたい
  • 理由なく撮った写真、40万枚
  • 「知識」には興味を示さなかった
  • 「不便だけど、大変じゃない」
  • 「夢なんて考えたこともない」
  • 視覚情報は曖昧であやふや

同行者も説明しながら楽しんだ