2021/12/17

スタートアップ史上最大の買収劇。Paidyと伊藤忠の意外な関係

NewsPicks 編集部 記者・編集者
2021年9月、米PayPal(ペイパル)が後払い決済サービスのPaidy(ペイディ)を買収した。
若者の間で利用が広がる後払いサービス(Buy Now Pay Later、BNPL)で急成長を遂げ、日本の数少ないユニコーン(企業価値10億ドル以上の未上場企業)の一社と言われていたペイディの買収は、3000億円という買収金額の大きさもあいまって注目を集めた。
だが、この買収劇によって、伊藤忠商事が2022年3月期第2四半期決算で約305億円の一過性利益を計上していることを知る人は少ないのではないだろうか。
ペイディ株の20%超を保有していた伊藤忠は、この買収により、売却益を手にしていたのだ。
実は、ペイディは新規株式公開(IPO)を目前に控えており、上場準備の支援もしていた伊藤忠にとって、ペイパルによる買収は寝耳に水の出来事だった。
予想外のタイミングで利益が出てしまったわけだが、このペイディへの投資は、伊藤忠の情報・金融カンパニーによるスタートアップ投資の実態を知るケーススタディになる。
商社がスタートアップに投資して、それを事業経営へと発展させる過程はどのようなものなのか。ペイディを例に見てみよう。