2021/12/16

【新番組】学校に「行く」側でなく「建てる」側。ローランド流“コンプレックス”の乗り越え方

NewsPicks Studios / NewsPicks Team Leader
「世の中には、2種類の男しかいない。俺か、俺以外か」など類稀なるワードセンスで人気を博し、「現代ホスト界の帝王」の異名を持つローランド。
現役引退後の現在は実業家として活躍する傍ら、多数のメディアにも出演している。
NewsPicksの番組でも「Greatest Hints」「THE UPDATE」などでの切れ味鋭い発言で印象に残っている視聴者の方も多いかもしれない。
そんなローランド氏とNewsPicksアナウンサー・奥井奈南氏をメインキャストとした新番組『New Door』が12月16日(木)の22時よりスタートする。
番組コンセプトは「はたらく⼈に光を。」
視聴者の悩みを生中継で聞き、解決策を一緒に考えていく、「ユーザー参加型」のビジネスお悩み相談番組だ。
番組開始に先立ち、ローランド氏と奥井氏にそれぞれ意気込みを語ってもらった。
新番組『New Door』初回のテーマは「キャリア」。
ゲストにリーダー人材開発やチームコンサルティングなどを手がけるプロノバ 岡島悦子代表取締役社長を迎え、「就活の悩み」や「セミリタイアの是非」など、4人のユーザーの悩みに回答しました。
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ポジティブで前向きな番組に

──新番組の『New Door』がはじまります。タイトルの『新しい扉』という意味について、どう感じられていますか。
ローランド タイトル通り、視聴者の新しいスタートをバックアップできたらと思っています。
悩んでいる視聴者に解決策を提示する番組なので、新しいチャレンジや課題に取り組む中で「アイツ、あんなこと言ってたな」と、わずかでも心に残る言葉を言えたらいいなと。
奥井 私としては、そんなローランドさんの言葉を引き出す役目に徹しようと考えています。
ローランドさんの言葉には、人生とビジネスに本気で向き合ってきたからこそ生まれる、人を助けるパワーがあります。その言葉の数々が、悩めるビジネスパーソンにとって明日への光になれば嬉しいですね。
ローランド はずっとサッカーをやってきたので、サッカーを例えに出すことが多いのですが、ゴールを決めるにも、1人の力ではどうにもなりませんよね。
サッカーでもいいストライカーにはいいパサーがいるように、奥井さんからのパスを受けて発した僕の一言が、視聴者の辛いときに思い出される言葉になれば良いなと。
奥井 ゲストも含め、依頼者の悩みを解決に導けるように一つのチームとして、頑張っていきましょう。私もいいパスを出すことを目標に、最後はローランドさんにゴールを決めてもらいます。
ちなみに、ローランドさんはこれまでもホストとして多くの悩み相談を受けて来たと思いますが、意識していた点はありましたか。
ローランド ネガティブな答えにならないようには、気をつけていました。
僕にできるのは、とにかくポジティブで前向きなアドバイス。番組内でもそういったアドバイスをするはずなので、人によっては「暑苦しい」「馬鹿の一つ覚えみたいだ」と感じる方もいるかも知れません。
ただ、そもそも万人の悩みを解決できるとも思っていません。
僕は「成功の秘訣を教えてください」という相談を受けることも多いのですが、「成功するには、まずそういう質問しないことだ」と必ず言っています。
悩みの解決を他人に丸投げしている時点でうまくいかないものです。
そういう人の深層心理を掘り下げたら、結局は「近道をしたい」だけ。そうなると、「秘訣とか聞いてんじゃねえ!」「自分で探せよ!」と感じてしまうものです。
NewsPicksには、そんな他人任せの視聴者はいないと信じたいですね。
奥井 うーん。一定数は…。
ローランド います!? どうしよう、不安になってきた。
奥井 そうですね、他人任せ、、というより、気合いを入れてほしい方は少なからずいると思います。気づき方は人それぞれですから、ローランドさんの喝で目が覚めたとしても、前に進んでいると言えそうです。
ローランド なるほど。ただ、個人的には「ただ優しい」だけの番組にしたくないとは考えています。優しい一言で励ますだけでなく、時として「お前はそんなこと言ってるから成功しねえんだよ!」という切り口があっていいと考えています。
奥井 大賛成です。
ローランド これまでも、相談されて、その内容がくだらないと思ったときは、「そんなの飯食ってジムにでも行ってこい!」と叱咤することもありました。正しいかどうかはわかりませんが、甘いだけではなく、そんな解決の仕方もあったりします。
奥井 酸いも甘いもある番組にしていけたらいいですね。

「悩んだら俺を見ろ」

ローランド やはり、自分の頭で考えてほしいですから。自己啓発好きや意識高い系のなかには、誰かを教祖のように崇め、その人の言動を絶対視し、自分の意思がない人も少なくないじゃないですか。
正直、僕も崇拝の対象として見られることがあります。ただ、「それは悪いけど嬉しくないよ」と言うようにしています。
スタッフから崇められたこともありますが、傍から見ると、やっぱり気持ち悪いですからね。
なので、いまの自分の周囲のスタッフはイエスマンじゃない人ばかりですよ。
奥井 ローランドさんの考え方は徹底してポジティブなので、周囲も感化されてポジティブな空気が生まれそうです。
ローランド 今では「悩んだら俺を見ろ」「デカいもん見たら癒されんだろう」と言っています。
悩むと、なぜか海とか空とか見たくなりません? 空を見上げて自分の悩みの小ささを感じたりするように、「ローランドさんを見ていたら、悩みなんてどうでもよくなってきました」と言われることは多いです。
ちなみに、奥井さんは悩みとかってありますか。
奥井 めちゃめちゃありますよ。SNSとかスマホが、とにかく気になってしまって…。
ローランドさんにも以前、スマホを触る時間を決めたり、小さい金庫に入れて物理的に離れる方法を教えてもらったものの、職業柄できないので…。
FacebookやLINE、Slackが気になり、土日も通知音で目覚めることもあります。もはやスマホ依存症かと疑うくらいで。いかにスマホと付き合っていけばいいかが目下の悩みです。
ローランド なるほど。スマホから情報収集するという考え自体、変えた方がいいかもしれませんね。
僕はスマホと物理的に距離を置いたことで、いい意味で「1日長いな!」「1日ってこんなに充実させられるんだ」と驚きました。
また、そういった達成感のほかにも、自分で自分をコントロールできている気持ちにもなります。
気になるものを自分の意思で排除できていると思うと、自信にもつながりますよね。何気なしにスマホをいじっている人を見ると、「コイツに勝ったな」って、謎の優越感に浸れたりします(笑)
ただ、情報収集の大事さはおっしゃる通りです。僕も世間知らずのままではいけないなと考えていた時期がありますから。

毎年、最強の自分を更新する

奥井 番組では、多くの方からの質問を受け付けていきたいと思いますが、NewsPicksのユーザーは30〜40代が多いとのことなので、個人的には、ぜひ多くの10〜20代の方からの質問をいただければと思っています。現代の若者の悩みは独特だったりするらしいですから。
ローランド 個人的にも気になりますね。10代をはじめ、若者が何で悩むのか。
奥井 キラキラしたSNSに劣等感を覚えて、自分の心が病んでしまったりもするそうです。
ローランド なるほどね。比べたくなくても、どうしても目に入っちゃうんだろうな。
ただ、僕としては、他人との比較は人間の本能だから仕方ないと、割り切っています。
例えば原始時代であれば、目の前にあるマンモスの肉が美味ければ、そのまま幸せに死んでいけたはず。「隣村のヤツが自分よりデカいマンモスを捕まえた」なんて、知る由もないですから。
とはいえ、もし原始時代にもSNSがあれば、他人が気になって見てしまっていたと思います。
スマホは本当に人生を不幸にさせる悪魔のアイテムですから、一番の解決策はスマホから離れること。もしスマホがないと仮定したら、人と比べる機会は今よりずっと減ると思いません?
奥井 確かにそうですね。あったとしても、営業の仕事や学校の試験で成績が張り出されるくらいと言えそうです。
ローランド 他人との比較は、どうしても今の時代の問題とされがち。どこか現代人が悪いという風潮に感じられますが、実際は人間に刷り込まれた本能です。
ただ、自分をコントロールする技術を備えれば人と比べなくて済むでしょうから、まずはスマホやネットから距離をとってもらえたらと思います。
奥井 比較もライバルとの切磋琢磨ではなく、劣等感を覚えるようになったら負のスパイラルに陥ってしまいますからね。ちなみにローランドさんにライバルはいらっしゃいますか?
ローランド ライバルですか? 七夕の時短冊に「ライバルがほしい」と書いたのですが、日頃の行いが悪いのか、いまだに現れませんね。
強いて言えば、昨日の自分には負けたくないということ。人生の目標も、「今が一番かっこいい」「今が最強だ」と思うことなので。
今年も「2021年の自分は今後絶対超えられない」という気持ちで努力したつもり。ただ、去年も「2020年の自分はさすがにもう超えられないだろう」と考えていましたが、今思い返すと「よくあんな実力で言えてたな」と笑ってしまうくらいです。
毎年、最強の自分を更新できているので、2022年も「なんで去年の自分はあんなことを言えたのか」と思えるほど成長するつもりですよ。

学校に「行く」側ではなく「建てる」側

奥井 お話を聞いていると、ローランドさんはものすごく自己肯定感が高い方だと改めて思わされます。私自身は自己肯定感が低いので、どうやれば上げられるのかも気になります。
ローランド 自己肯定感の低さは悪いことばかりじゃないですよ。というのも、理想が高いからこそ、現実とのギャップに悩んでいるはずだから。
そもそも僕から見ても、奥井さんは万人が羨むスペックを持っていると思います。そんな奥井さんの自己肯定感の低さは現状に甘んじてない証拠であり、向上心の表れのはず。それに「自己肯定感の高さ=現状に満足している」ともとれるじゃないですか。
奥井 そうですね。
ローランド 「自分は完璧だから、これでいい」と考えていたら、自己肯定感は高くても向上心があるかと言われれば微妙ですよね。
僕も「コンプレックスや自己肯定感の低さは向上心の強さでもある」という話は良くしています。
自分自身のことは“向上心のあるナルシスト”だと考えていますから、さらなる高みに上っていけると常に思っていますよ。
大半のナルシストは向上心がなく、「自分、もう完璧だわ」って思っちゃっているタイプ。一方、“向上心のあるナルシスト”は最強です。自分が好きでさらに頑張れちゃいますから、誰もが“向上心のあるナルシスト”になれたら、世界も超幸せになるはずです。
──いまの話で思い出されるのは、ローランドさんの「学校は行くものでなく、建てるもの」というエピソードです。
ローランド そうですね。僕もメディアに出るようになったり、ビジネスを自分でするようになると、人脈が広がっていきました。僕は高卒なんですが、経営者の中には「君学校どこ?」といったように、学歴でマウンティングしてくる人も一部いますよね。
もちろんそう言われたら悔しいのですが、「悔しい」と思う自分も嫌でした。そもそも僕は人を「羨ましい」とか「悔しい」と思って生きていくのが嫌な人間なので。
そこで「いい方法はないかな」と考えてみたのですが、「いい学校に行っているやつは多いかもしれないけど、学校を建てた人は全然いないんじゃないか?」って思ったんですよね。
そこで、初の著書である『俺か、俺以外か。ROLANDという生き方』の印税を、カンボジアの子供たちのために寄付することにしました。実際に、そのお金で老朽化で廃校寸前だった学校の屋根や教室が修繕されたようです。
そうすると、実際に「子供たちのために良いことをしたな」とポジティブになれますし、そこからは学歴の話題になっても「僕は学校に行く側じゃなくて建てる側なんですよね。価値観の違いですかね」と、誰も傷つけない形で切り返せるようになって、コンプレックスもなくなりました。
もちろん、低学歴と言われるカテゴリでも素晴らしい人はたくさんいることも知っています。そういう人が仮にコンプレックスを持っていたとしても、学歴ではない、何か素晴らしいことを誇りにしていけるといいですよね。
奥井 ローランドさんには何を聞いてもポジティブな答えが返ってきますよね。ご一緒させていただく私としては今回の番組で「自分の人生を救う」という裏テーマを設定しようと考えてしまうほどです。自分ごと化するという意味でも、ますます楽しみになってきました。
ローランド 人類が抱ける最も大きな夢は、世界平和です。人生は1回しかない。だとしたら、地球の一個や二個くらい幸せにして死んでいきたいなと。
こう言うと笑う人は多いですが、冗談抜きに本気で考えていますからね。
現代は、良くも悪くも拡散される世の中。今回の番組は生放送ですから失言したら拡散されるでしょうが、いい言葉を発しても一気に広がるはず。
『New Door』でみんなを幸せに、笑顔にしていきますよ。
インタビューの一部は以下のYouTubeからも視聴可能です。
新番組『New Door』初回のテーマは「キャリア」。
ゲストにリーダー人材開発やチームコンサルティングなどを手がけるプロノバ 岡島悦子代表取締役社長を迎え、「就活の悩み」や「セミリタイアの是非」など、4人のユーザーの悩みに回答しました。
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