キャリア官僚志願者また減る 女性は過去最多の合格者
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先日、東大文一合格最低点が、文三を下回った(河合塾調べ)という報道がありました。ここでも官僚の不人気が影響していると感じます(女性が増えるのはもちろん歓迎なので、以下では「官僚の不人気」という部分について思うところを述べさせてもらいます)。
日本のキャリア官僚がおかれた状況を考えれば、不人気なのは無理ないと思います。ことあるごとにマスコミに叩かれ、長時間労働で、周囲から賞賛も感謝もされず、他国の官僚と比べ待遇は明らかに劣っています。目指す人が減る上に優秀な若手が離職。憂うべき状況だと思います。この状況を本気で変えるなら制度改革しかありません。
今年の初めにも書きましたが、例えばシンガポールのリー・クアンユー氏がかつて作り上げたシンガポールの官僚制度は、日本よりもずっと機能しています。官僚は政権と共に国家の運営を担いますから、「その資質の良し悪しが国の発展を左右する」という明快な考え方が根底にあります。
シンガポールでは最も優秀な学生を国費による奨学金で青田買いし、その後も民間に流出しないよう、相当な好待遇を保証しています(納税者の不満や公務員の中での給与の不均衡は後回しです)。同時に、給与の一定程度は民間の経済指標と連動しているため、全力で国家に貢献しようというインセンティブにもなっています。また好待遇ゆえに中立性も保たれ、汚職が防止できるというメリットもあります(「貧すれば鈍す」というのはどこも同じです)。
国が小さいこともあるので一概に比較はできませんが、日本よりも少数精鋭、理系が多く、民間との積極的な人事交流も行っているなど、なかなか興味深いシンガポールの官僚制度。シンガポールに限りませんが、うまく機能している他国の制度を真剣に取り入れるべきだと思います。今年就活していましたが、キャリア官僚を目指すような優秀な人材は、正直もっといい待遇(給与、働き方、裁量)で外資等に取られている印象があります。
この状況では余程の愛国心等が無いとキャリア官僚の道を選ばないのではないでしょうか。
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