[ロンドン 8日 ロイター] - 仏自動車大手ルノーの電気自動車(EV)の人気モデル「ゾエ」が8日、欧州の車両安全性評価「ユーロNCAP」で「星なし」の最低評価を受けた。

同社の低価格ブランド「ダチア・スプリング」も「1つ星」の評価にとどまった。

ユーロNCAPの代表は「ルノーはかつて安全の代名詞だった。だが、今回のゾエとダチア・スプリングの失望を招く結果は、ルノーのEVへの移行で安全性が巻き添え被害を受けたことを示している」と表明した。

ルノーは、ゾエについて、規制上の全ての安全基準を満たした安全な車だとの声明を発表。「(安全性評価の)基準は常に変化しており、すべての分野で一段と厳格なものになっている」とし「車が販売される地域に適用される規制を順守するため、改良を続けていく」と述べた。

ユーロNCAPの格付けは、公道での走行を認可するものではなく、拘束力はないが、欧州の消費者はユーロNCAPの格付けに注目しており、メーカーも高格付けを取得した車を積極的に売り込んでいる。

ユーロNCAPが「星なし」の評価を出したのは、今回のゾエを含めて3回しかなく、ゾエの販売低迷につながれば、ルノーは速やかなモデルチェンジを迫られる可能性がある。

ユーロNCAPによると、ゾエの最新モデルは、座席のサイドエアバッグが従来のモデルから悪化した。ユーロNCAPの評価で2001年に初めて「5つ星」の評価を受けたのはルノーの「ラグナ」だった。