[イスタンブール 25日 ロイター] - トルコ中央銀行のカブジェオール総裁は、通貨リラの急落を受け25日に銀行調整監視機構(BDDK)のほか、銀行幹部との会合を開き、中銀がこの程決定した利下げについて討議したと明らかにした。

トルコ中銀は18日の政策決定会合で、主要政策金利の1週間物レポレート[TRINT=ECI]を16.00%から15.00%に1.00%ポイント引き下げた。インフレ率が20%近くに達しているにもかかわらず、中銀が一段の緩和を示唆したことで、通貨リラは下落。その後、エルドアン大統領が利下げを擁護し「経済独立戦争」で成功する決意を示したことを受け、23日の取引でリラは対ドルで一時15%下落した。

カブジェオール総裁は記者団に対し、この日の会合で経済情勢を巡る全般的な検証を行なったとし、トルコの銀行部門は極めて強靭と指摘。「利下げなどについて、包み隠さず伝えた。銀行部門、中央銀行、BDDKは協調しており、緊密に連絡を取り合っている」と述べた。

会合を受け、通貨リラは1ドル=12.025リラと、0.5%上昇。23日には13.45リラと、過去最安値を更新していた。

国際金融協会(IIF)は「トルコ中銀は利下げを停止し、リラ相場を守るために利上げを利用する姿勢を示すことで、早期にリラの下落に歯止めをかけることができる」と指摘。1ドル=9.50リラが公正な相場水準との見方を変えていないとした。