新しい資本主義、過度な株主還元見直しを 岩井克人氏
コメント
注目のコメント
以前、岩井先生の『会社はだれのものか』を識者がしきりに褒めていたのを見て読んだことがありますが、冒頭、百貨店の株主が店頭の商品を勝手に食べたら窃盗で逮捕されるという例(ちょっとうろ覚えです)を引き合いに出し、であるが故に会社は株主のものではないという説明がなされており、持分比率や財産処分の手続き論をすっ飛ばした論理展開に、ちょっとついていけないと思ったことがあります。
今思い返しても、私にはどうしてもひろゆき的な物言いに聞こえてしまいます。
『貨幣論』で高名な方ですが、本稿も含めて株式会社に関する言及については、私はちょっとついていけません。
「株主主権論」は理論的誤謬
http://www.asahi.com/shimbun/sympo/091023/speech02.html以下のページで見られる岩井先生の著作の中で、「貨幣論」や「不均衡動学」などの代表作は、全て80年代に書かれたものです。私が10年前に受けて面白かった授業も「貨幣論」でした。後年は「会社論」など、関心が変わっていったようです。
https://www.tkfd.or.jp/experts/detail.php?id=32
このコメント欄を見て、岩井先生ほどの方でも得意不得意な領域があるのだから、色んな領域で分かった様な口を利くのは止めないといけないな、と感じました。自戒も込めて。
(蛇足)
昔から言われていることですが、プロの方でも的を得ないコメントがNPでしばしば見受けられるので、「?」マークボタンが欲しいです。そうすれば、「いいねも多いが?も多い」「いいねはそこそこだが?はゼロ」「いいねはほぼ無く?が大量につく」といったパターンが生まれて、コメントに対する評価がより多面的になって世論を掴み易くなると思うんですけどね。ガバナンスコードが出来て以降、ROE8%を達成するために、賃下げして配当に回す企業が多数あったのは事実です。適度な株主還元は必要です。だが、過度はいけないという程度問題だと思います。本当の問題の所在は、適度を担保する仕組みがないことです。これを本来ならガバナンスコードが担うべきだと思いますね。