(ブルームバーグ): 三菱UFJフィナンシャル・グループは15日、今期(2022年3月期)の連結純利益を従来予想の8500億円から前期比35%増の1兆500億円に上方修正すると発表した。15年3月期以来、7年ぶりに過去最高益を更新する。発行済み株式総数の2.33%に相当する1500億円を上限とする自社株買いの実施も発表した。

本業のもうけを示す今期の連結業務純益は従来の1兆1000億円から1兆1500億円に上方修正した。期初に3500億円と想定していた与信関係費用は、1500億円にとどまる見通し。堅調な株式市況を背景とした株式関係利益や持ち分法適用会社の米モルガン・スタンレーの利益も貢献する。

通期の純利益予想は、ブルームバーグが集計したアナリスト予想の平均9886億円を上回る。年間配当金も従来予想の1株当たり27円から28円(前期実績は25円)へと引き上げた。

4-9月累計の純利益も前年同期比95%増の7814億円と過去最高を更新した。与信関係費用は179億円の戻し益(前年同期は2584億円の費用)となった。貸し出し利ざやは国内中小企業では下げ止まり、大企業や海外向けは改善傾向にある。

同日会見した亀澤宏規社長は「堅調な決算」と評価。「ベースがしっかりできたが、そこに一時的要因が重なっての最高益」だったとして、稼ぐ力をもう一段高める必要があるとの考えを示した。

 

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