中国、デジタル人民元の開発継続=人民銀総裁
コメント
注目のコメント
現時点で直接にピックすべきニュースが出ていないようなので、ここに書かせていただきますが、英国財務省とイングランド銀行も、11月9日にCBDCへの取組みを前進させることを発表しました。
具体的には、イングランド銀行が既に設定している2つのタスクフォースでの議論を踏まえながら、財務省と共同で来年にconsultation paperを公表し、その反応をもとに具体的な開発段階の開始如何を決めるというものです。
実際に導入する場合の時期は2020年代後半としており、先に欧州中央銀行が示した目処とも整合的です。かなり先のことに見えるかもしれませんが、金融経済の基本的なインフラを変える話なので、あっと言う間に過ぎてしまうようにも思います。デジタル人民元の利用者数が1.4億人を超えました。これは中国の人口の約1割。すごい勢いで伸びています。2021年6月末時点での利用者数は2,400万人。取引件数は約7,100万件、取扱高は約345億元(約5.8兆円)でした。
それからわずか4カ月で利用者は5倍強、取引件数は倍増だ。一気に利用が増えています。まだ実証実験段階でこの数字ですから、もはや実験の域を超えています。
北京で開催される冬季五輪には、大々的に発表(本格リリース)するかもしれません。
ご参考までに
https://www.ncblibrary.com/posts/66862中国が先行し欧州が実証実験に進む動きを見せるなか、米国は議論が割れて未だ動かずといったところがCBDCの現況かと思います。米国と覇権を争う中国はなんとしてでもドル決済の頚木から逃れたいところでしょうし、トランプ大統領時代に米国依存の危うさを見せつけられて期待したバイデン大統領も思うほど頼りにならないことが見えて来た欧州にも似た思いがあるはずで、米ドルの基軸通貨としての地位を守りたいだろう米国とはCBDCを巡る立場が違いそう。中国は国内を中心このまま突き進んで技術的に世界をリードして行くのでしょうね・・・
中国が資本取引を規制し人民元の為替取引を管理している限り人民元が主要な準備資産になったりデジタル人民元(DCEP)が米ドルに代わって世界の決済の中核を占めたりすることはなく、当分は中国国内の小口決済に限られるように感じますが、貿易量で世界最大となり影響力が及ぶ国とCIPS経由の決済も増えている中国だけに、中央銀行が築いて来た金融システムへの影響やマネロンを警戒して慎重な各国も無視するわけに行きません。新しい技術の興隆を止めることができない以上、積極的に検討を進めるべき課題であるように感じます (・・;