2021年の世界のCO2排出量、コロナ前に逆戻り
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そりゃそうです。
昨年CO2が減ったのは、何か省エネ投資などが行われたからではなく、単純に活動が停滞しただけなので、経済が動き出せば増えます。
産業革命以降人類は、経済成長とともにエネルギー消費量を増やし、それに伴ってCO2排出量は増えてきたわけですが(なので、GDPとCO2排出量には「鉄の相関」が存在する、などと言われてきました)、減った瞬間というのが何度か存在して、それはすべて経済停滞です。大恐慌、オイルショック、リーマンショック、コロナショックです。
ただ、いずれの経済停滞のあとに各国政府が経済復興のアクセルを踏みますので、そうするとCO2排出量もV字回復します。
「経済と環境の両立」というのは、「GDPは伸びるけれど、CO2排出量は減る」という状態を指すわけですが、それは歴史的な経過を見ると簡単なことではないわけです。COPなどで各国首脳は「環境と経済の両立」を謳うのですが、それが可能なら、交渉など不要ですよね。各国ともGDP成長を目指して、放っておいても、高いCO2削減目標を掲げるでしょう。
今のままでは環境と経済の両立は難しいのですが、ただ、世界全体で共通の大規模な炭素税が導入されれば変わるでしょう。
新たな貿易戦争の火だねですし、今のエネルギーコスト上昇に見るようにいろいろな弊害・痛みも出ます。必需品であるエネルギーの使用を抑制するほどの高額な炭素価格をつけるということは相当影響が大きくなります。
世界共通の炭素税導入のハードルは想像を絶するほど高いですが、ただ、世界が本気でカーボンニュートラルを目指すのであれば、本来は避けて通れない話でしょう。今回のCOP26では新たな「約束」が次々と喧伝されていますが、コロナ禍でブレーキがかかった世界のCO2はリバウンド。1.5度目標を達成するには、今後10年で排出量を毎年7%ずつ減らし続ける必要があるとされます。