「アップルウォッチ外来」が心房細動リスク早期発見の救世主になる理由
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心房細動は長嶋監督やオシム監督などでも見られる心臓のリズムが乱れて血液が固まったのが脳に飛ぶ(1秒間に60-100回心臓が動いているのでその回数だけ危ない)というやつです。病気自体が自分がならないと思っている人が多いので如何に多い病気か気づかない人がほとんどです。
日本では慶應大学病院がApple Watchの研究に取り組んでいます。日本は安全大国なので、会議的に学会としてそれを診断に使用して良いかを十分見極めています。各学会の中で循環器学会はかなりレベルの高いガイドラインを出すというのが私見です。
アメリカの心臓病学会 Apple Watchの研究は多数あり
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCEP.121.010063
難しいことを語っても仕方がないので、心房細動以外の不整脈も多数見つかりますとのこと。
Apple Watchの正確度については
https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/CIRCULATIONAHA.119.044126
心房細動のチェック> 98%の感度と> 99%の特異性
これは極めて高いと言わざるを得ない。毎日のように心房細動の治療をしている医師です。
たしかにApple Watchで診断のキッカケになる方もいますね。ただ、若くしてなる方がいないわけではありませんが、基本的には50-60代以降特に年齢とともに一気に増加する病気ですので、smart watch使用者はさほど多くはない印象です。都会の方だと多いのかもしれませんが。
そして注意すべきはApple Watch単独での診断は困難であり、その承認の形式からもそれ単独での診断や治療は推奨されていません。
心電図の指導や、記事を書く程度には不整脈の専門医としてやっていますが、12誘導のうち不整脈の診断が比較的しづらい「Ⅰ誘導」のみというのは弱点でもあります。
12誘導とっても時に循環器専門医も診断しづらいこともあるくらいですので(1%くらいでしょうか、ごく稀に診断を修正することがあります)、私自身はApple Watchの波形を見せてもらっても診断には自信が持てないことは少なくないです。
あくまで心房細動がないだろうと確認することや、逆にある人の診断には使えないもののキッカケになるということ、あとは他の不整脈の診断のキッカケにもなりうるということはあります。普段なかなか意識することがありませんし、気づくきっかけになるのは大きいですね。
そのうち、血糖値も分かるようにならないかなー。