[2日 ロイター] - 米バイデン政権は2日、英グラスゴーで開かれている第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に合わせ、石油・天然ガス産業から排出される温暖化ガスのメタンの排出量を削減する計画を発表した。

メタンは天然ガスの生産などで発生。排出量の約3割が石油・天然ガス産業からのものになっている。二酸化炭素(CO2)に次ぐ大きな温暖化の原因だが、CO2ほど長く大気中に滞留しないため、メタン排出量を削減すれば気候変動対策に大きな効果をもたらせる。

世界第2位の温暖化ガス排出国である米国は、欧州連合(EU)と共にメタン排出量を2030年までに30%削減する新たな国際協定の策定を促進し、国際的な気候変動対策で主導権を取り戻したい考えだ。

米国が発表した対策は米環境保護局(EPA)の提案に基づくもので、石油・天然ガス業者に四半期ごとに合計30万カ所の規模が大きい油田・ガス田でメタンの漏れがないか点検を要請。メタンの大気中への放出を禁止するほか、貯蔵施設やコンプレッサーなどの設備の刷新も求める。

こうした対策で、石油・天然ガス産業からのメタン排出量を2035年までに2005年水準から74%削減することを目指す。発効は2023年になる見通し。

米国石油協会(API)は、メタンの排出源に対する直接的な規制を支持すると表明。メタン排出量削減に向けた一段の取り組みにコミットメントを示した。

環境対策を推進する英石油大手BPも支持を表明。ワシントンに拠点を置く環境保護団体アースワークスは、前向きな一歩とした上で、「最も強力な基準の設定を呼び掛け続ける」とした。