2021/11/12

【諸藤周平】私たちを駆動する「ライフミッション」の紡ぎ方

日本にこれほど稀有な起業家がいるだろうか。諸藤周平。いまや時価総額4000億円を超えた介護事業者向けSaaS企業、エス・エム・エスの創業者だ。
世にあふれる安直な「成功物語」をよしとせず、これまでメディアの前でほとんど語ることのなかった諸藤氏への数回にわたるロングインタビューを元に、彼の「思想」を全7回でお届けしてゆく。
INDEX
  • 自我は常に変わってゆく
  • 自分らしさを見いだすプロセス
  • 過去を反転させ、未来に当てる

自我は常に変わってゆく

人が「自分はこういう人間だ」と語るとき、人生の特に大きなイベントをピックアップしていることがほとんどでしょう。
しかし本来、自我は固定的なものではなく、常に動的なものです。
大きなイベントよりももっと手前にあるアイデンティティが存在し、それぞれのイベントでさらに分岐し、これからも環境によって動き続けます。
1歳なら1歳、2歳なら2歳、3歳、4歳と、生み落とされた社会的背景と家庭環境などから、自分の生き残るための戦略として、報酬と罰を脳内に得ながら、歳を重ねるごとに上書きをされていきます。