【諸藤周平】世の成功物語は、なぜ「意味がない」か?
NewsPicks編集部
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「他人の成功物語をトレース」はスタートアップだけではありません。差別化とは自社のユニークネスを生かすことですと講演したあとで、ほぼ必ず聞かれる質問は「そうしたご指摘をうまく生かしている事例を教えてください」というもの。顧客や競争も大事ですが、自分、自社のことが本当にわかっている大企業は実は少ないと感じています。
なぜ、世に溢れる成功物語に意味がないのか。らしさといえばそれまでですが、環境と自我が相互作用して成長していくだけでなく、そこがどんな領域なのかまで体系的に捉えていく諸藤さんのお話にどんどん引き込まれていく回です。
人文学×ビジネスが注目されていますが、この記事にもそれに通じる話が書かれています。
「成功した起業家は『人』であり、そもそも自我を変容させながら、必要な価値観や能力を獲得していく生き物です。
そうした前提を踏まえずに、自分の「らしさ」で他人の成功物語をトレースして、失敗してしまっていると思うのです。」
人文学は『人』(含む自分自身)と徹底的に向き合うための学問です。すぐには役に立たないのですが、長期的に見て、その経験をしている人はあらゆる分野で強い。手っ取り早く「役に立ち」そうな流行りのビジネス論や方法論や箇条書き要約テキストをいくら詰め込んでも長期的にはまったく意味がなくなり、『人』から成りたつ社会もぼろぼろになっていく……という惨状がこの30年の「成果」だった。
今後ますます,こうした表面的コピー不可能な個々の『人』の「らしさ」に深く根ざした人文学的な考え方(例:クチネリの「人間主義的資本主義」)の重要性が発信されていくことを願いたいです。