2021/11/9

【新】4000億円企業。SMS創業者・諸藤周平の思想に迫る

池田 光史
福田 滉平
連載一覧へ
日本にこれほど稀有な起業家がいるだろうか。諸藤周平。いまや時価総額4000億円を超えた介護事業者向けSaaS企業、エス・エム・エスの創業者だ。
稀有、というのには理由がある。創業者が時間をかけて後継者へと譲り、むしろその後も成長をし続けている類なき企業を築いたのだ。そして今、新しい産業を生み出す「理論」を、実践によって見いだそうという挑戦を続けている。
世にあふれる安直な「成功物語」をよしとせず、これまでメディアの前でほとんど語ることのなかった諸藤氏への数回にわたるロングインタビューを元に、彼の「思想」を全7回でお届けしてゆく。
INDEX
  • メタ思考が芽生えた「挫折」
  • 複雑な世界に興奮する
  • 成長する会社ができた理由

メタ思考が芽生えた「挫折」

私は幼少期から、「自分は将来、社会からつまはじきにあうのではないか」という恐怖心を抱いていました。
きっかけは小学3年生の時。「勉強ができない」ということに気付いたからです。