2021/10/26

【トレンド】ギフトエコノミーで広がる「買わない生活」

INDEX
  • 何でも手に入るコミュニティ
  • 世界に広がる「Buy Nothing」
  • 断捨離を「交流」につなげる
  • 「処分」ではなく「贈与」
  • 「意外なアイテム」が出回る面白さ
  • 「不便」を経験することが大切
  • 乾燥機の糸くずが人気アイテムに

何でも手に入るコミュニティ

数か月前、水資源エンジニアのデビッド・スタール(30)は「ピクルスの残り汁」を手に入れようと思い立った。
特に残り汁が必要だったわけではない。というより、他人から漬物の残り汁をもらう意味など普通はないだろう。ただ、目当てのものが手に入るかどうか試したかっただけだ。
そこでスタールは「Buy Nothing(何も買わない)」というFacebookグループの、アッパーウエストサイド支部にリクエストを投稿した。
結果として、そこでは頼めば何でも譲って(あるいは受け取って)もらえることが判明した。1週間後、スタールは10ブロック先のアパートのロビーを訪ね、マウント・オリーブ印の1ガロン瓶(約3.7リットル)に入った淡い緑色の液体を手に入れた。
「アパートのドアマンは、私が特大サイズのガラス瓶を欲しがっていると思ったようでした。そこで私は言ったんです。『いや、僕は本当にピクルスの汁が大好物なんだ』って」。ピクルスの汁は、酒のチェイサーとして友人と一緒に楽しんだという。
(Tonelson/iStock/Getty Images)