(ブルームバーグ): 暗号資産(仮想通貨)の取引では、毎日のように何かが起こる。

仮想通貨交換業者バイナンスの米国における交換所では、21日朝にビットコインの価格が6万5000ドル前後から8200ドルまで、およそ87%急落した。他の交換所で同様の動きは全く起きていない。急落はわずかな時間で、バイナンスではほぼ間を置かずに元の価格水準に戻った。

バイナンス米国部門は電子メールで「機関投資家トレーダーの1人から、トレーディングアルゴリズムのバグが急落を引き起こしたようだとの情報があった」と説明。「事態の調査を続けているが、このトレーダーからの連絡で、バグはもはや修正され、問題は解決した様子だと理解している」と明らかにした。

バイナンスのウェブサイトによると、急落が発生したのはニューヨーク時間午前7時34分。そのわずかな時間に592.8ビットコインが取引された。現在の時価で4000万ドル(約45億5800万円)弱に相当する。

このような現象は通常、例えばトレーダーが意図した取引の詳細を間違え、価格や注文規模を誤入力するときに生じる。一例を挙げれば、交換所で控えている注文を上回る、とてつもなく大規模な取引が発注されれば、価格は急速かつ大幅に下落する。米株式市場では2010年5月のフラッシュクラッシュが有名だが、それ以来、株式は同様の問題の再発をほぼ免れている。

原題:Bitcoin Crashed 87% on Binance’s U.S. Exchange Due to Algo Bug(抜粋)

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