LINE問題で最終報告書 “経済安全保障への配慮できていない”
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注目のコメント
最終報告書の内容を読むにつけ、同社に直接的かつ法的な問題はなかったという話でしかない。だから、印象論/陰謀論で同社にケチをつけているのはあまり理性的な対応とは僕は思えない。
一方、レポートでは、これまでの常識レベルのコンプライアンス/ガバナンスという問題というよりも、米中冷戦といった新しい構造を「不安定なグローバル化」と呼び、その観点に基づいた新しいガバナンス体制に更新できなかったことが問題だとしている。
この理屈は、巨大IT企業の今後を考える上で重要な指摘なのだろう。
新冷戦時代を今までのグローバル化の常識で考えるなということだ。
https://www.z-holdings.co.jp/ja/ir/news/auto_20211018412557/pdfFile.pdf
だが、この理屈、IT以外にも適用できてしまうのだけどまともな法整備なしに、そしてアジアとの経済摩擦なしに敷衍していくことなんてできないのではないかと思うが、どうなんだろうか。「外国の業者に業務委託していることについて、官庁に対し、当初『国内に閉じている』と(確認不十分で? 結果的に?)虚偽の説明があった。個人に対してプライバシーポリシーなどで明確に個人データの越境移転について説明していなかった」点については、明らかに問題があったと感じます。
しかし、「海外のサーバーを一部利用していること」自体が問題なのかがはっきりしません。政府はこの点を明らかにすべきでしょう。もし中国、韓国が問題なだけで、米国は無問題であるならばその点を理由を含めて明言する必要があるでしょう。
現状、「国内(日本)に閉じている」と明言できる大規模SNSは皆無だろうと思います。欧米系や日本のコンサルティング企業で外国にデータセンターを置いているところは多くあり、それら企業は日本政府の業務も受託しています。「間接的」を含めると、中国などのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を利用している企業はおそらく多数あります。
20年くらい前から中国のBPO企業に業務委託して利益を上げてきた経団連の役員を輩出する有力企業を存じています。この企業の中国での協力企業は、日本の下請けとして成長してきたことが知られています。(10年位前、中国東北部の企業を訪問し教えてもらっています。いままで法規制なく放置されています)
企業内のイントラネットに海外のサーバーを使っているところも、少なからずあると思います。今後、これらは一切禁止されるのでしょうか。他のクラウドサービスが何らお咎めを受けることなく「今も海外のサーバーを使い続けていることについては何の問題もない」のでしょうか。
もしLINEが「国内に閉じたサーバーであることは保証できない」と説明していた場合はどういう展開になったのでしょう。その場合、行政はLINEのようなSNSは使わなかったのでしょうか?今後企業がSNSサービスを使うことは禁止になるのでしょうか。
疑問点は数々出てきます。
結局のところ報告書は、「国内に閉じたサーバー」とのLINEの説明について使用者側で検証することなく、若者受けするLINEを行政サービスで使ってしまった行政の責任逃れの意味合いが強いのではないかと思ってしまいます。
本件は、経済安保の体制を整えるのとは違う次元の指摘だと思います。遅すぎるというのが正直なところですが、これでまた一つまともな国内サービスが増えたと思えば物は考えようというもの
今回はセキュリティ対策も見直されてグループも巻き込みながらSP800-171対応へ
今後は期待したい