論文出版が多すぎると、科学は進展するどころか停滞する
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注目のコメント
ちょっと昔の資料ですが、こんなジョークが披露された事がありました。
56% yearly growth with 26% acceleration
→ 10.8B submitted papers in 2028
画像系AIでは、なく子も黙るトップ国際会議であるCVPR。毎年投稿数はうなぎのぼりに増え続け、このままのペースでいくと2028年には100億本の論文が出る計算に!と笑いを誘います。
けれども、笑い事ではなくどの学術誌や国際会議も毎年投稿数を記録更新するような状況が続いています。
この記事を補足する視点としては、投稿数は増えてもそれを査読する人は増えないので査読の品質が著しく落ちてしまう問題、採録されるまでに膨大な時間がかかってしまって学位取得に間に合わなくなる問題も出てきています。
CVPR 2019 Statistics
https://cvpr2019.thecvf.com/files/CVPR%202019%20-%20Welcome%20Slides%20Final.pdf判断が必要な仕事はたとえメールの処理でも時間と体力、気力を奪います。ましてや論文の査読となると、認知的余力を奪われるのは想像に難くないです。得体の知れないオンラインベースのジャーナルが増えてることも拍車をかけていますね(これは無視すれば良いと思いますが、仕事が大変な状況の時は無視するという判断もしたくないですよね笑)。
>引用
『研究チームによれば、論文の出版があまりにも多いと科学の進展が滞るのは、新しい論文が洪水のようにあふれかえると、査読者や論文読者が科学分野にとって新規なアイディアを完全に認め、理解するのに必要な認知的余力を奪うからだとしています。また、多くの新規アイディアの間の競争で、有望な新規アイディアへの注目の集中が徐々に進む過程が阻害されるとしています。』個人的に、雑誌によって査読依頼に一切応じない方針です。
それが良いことかは分かりませんが、自分が読まない、投稿もしない(価値を感じられない)雑誌の査読依頼に応えることが生産的とは思えないので。
皆さん、どうされているのでしょうね。