【明石ガクト】『イカゲーム』にあって日本の作品にないもの
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「今際の国のアリス」(日本製作)も見ました。なぜなら「イカゲーム」はどうも日本の劇画のパクリではないか、と批判する声もあるようだから。
たしかにアイディアは盗みとっているところもあるが仕上がりは似て非なるものといえます。
いつもの僕の持説ですが、「今際の国のアリス」は結局、テーマがなく出てくるのはただの友情や恋愛に過ぎず、「公」につながる契機がいっさいない。それに対して「イカゲーム」がエンタメでありながら世界から受け入れられているのは、ハリウッドのアカデミー受賞映画のようなシリアスな要素を組み込んでいるからだ。「私的」感情よりも「構造」が描かれている。
明石ガクトさんの指摘するキリスト教の世界観(ヨーロッパが近代をつくったのだから当然、世界はその文脈に支配されて動いている)を構造的に組み込んでいる物語が国境を超えた要素だろう。
(韓国はキリスト教徒が日本の創価学会ぐらいの比重でいると言われていますからそもそも信仰の根付き方も違います)。
「イカゲーム」は、韓国の格差社会の様相を、流行りのゲームに引っ掛け描いていて、格差を描く点では「パラサイト」と共通点があり、客を引っ張っていくやり方は「愛の不時着」のように巧みです。
日本の劇画はこれでもこれでもかというさまざまな新しい思いつきで競い先行したが、このままなら(私的な世界の空回り)たぶん行き詰まり、普遍的なテーマを設定できる韓国や中国やハリウッドにさらわれてしまうだろう。
この2つとも、岸田首相の演説が空疎で退屈と感じたときの暇つぶしにどうぞ。
注目のコメント
国境を超えた大ヒットとなったイカゲームと、日本の「神様の言うとおり」、「今際の国のアリス」といったデスゲーム作品は何が違うのでしょうか。
単純に予算規模やクオリティの問題という意見もありそうですが、動画プロデューサーの明石ガクトさんはキリスト教文脈や人間の根源的な感情といった世界で通じる「文化的コード」に向き合ったことが大きいと分析しています。
そういったイカゲームから見えてくる、コンテンツのトレンドについて明石さんに話を聞きました。>グローバルコンテンツを作るには、キャッチーな部分だけではなくて、上位概念の「文化的コード」のところで伝わることが必要
正にその通りですね。黒澤明監督の映画が海外で高く評価されたのも、侍映画という、欧米から見たらキャッチーな物語に西部劇の要素を取り入れて、普遍的な作品に仕上げた点が大きいと思います。
>例えば、日本独特の企業文化を描いた『半沢直樹』を海外の人が見たら、「(半沢直樹が)会社を辞めればいいのに」と思われるだけで、物語の意味がなかなか伝わらない
ここもクスリと笑いました。うちの子どもたちも同じ感想を漏らしていました(母親が傭兵稼業なので)。
明石ガクトさんの分析は面白いですね。