[ソウル 15日 ロイター] - 米アップルと韓国政府が、アプリストアを巡って対立している。

韓国国会は8月、グーグルやアップルなどが自社のアプリストアで、アプリ開発業者に自社決済システムを使うことを義務付け、開発業者から手数料を徴収することを事実上禁止する改正案を可決。同法は先月施行された。

だが、韓国放送通信委員会(KCC)の当局者によると、アップルは、韓国政府に対し、すでに同法の規定を順守しており、アップストアのポリシーを変更する必要はないと通知した。

同当局者は「それでは法律を改正した意味がない」と主張。KCCとアップルは、現在も法令順守について協議を進めている。

KCCはアップルの韓国法人に対し、決済方法の自由度を高める新たなポリシーの策定を要請する方針。アップルが従わない場合は、実態調査を行い、罰金などの制裁を科す可能性もある。

アップルのコメントは取れていない。

KCCの当局者によると、グーグルは同法に従う計画だとKCCに通知しており、来週からKCCとの協議を開始する。

グーグルのコメントは取れていない。

独占禁止法専門の弁護士Jung Jong-chae氏によると、今回の法律では、アップルはグーグルよりも失うものが多い。

同氏は「アップルとグーグルで譲歩の度合いに差が出ているが、それは、アップルがハード、OS、アプリ市場、決済システムまですべてを支配下に置いていることが理由かもしれない」と指摘。

「アップルがいずれかの分野で支配力を失えば、他の分野でも開放を求められ、さらに多くのものを失うことになる」と述べた。