NY株続伸、337ドル高 米国債への懸念後退で
コメント
注目のコメント
10年米国債利回りが1.5747と上昇したにも拘らず、IT・ハイテク株といった成長株が主導する形でほぼ全面高の様相。エネルギー価格の急騰で、市場では高インフレが予想以上に長引き、FRBが早期の引き締めに入るのではとの警戒感が広がっています。
米連邦政府の債務上限をめぐる与野党対立で、与党民主党の上院トップ、シューマー院内総務は昨日、連邦政府の借り入れ限度を定めた債務上限を12月初めまで引き上げることで野党共和党と合意したと表明。米国のデフォルト(債務不履行)リスクは当面回避できるとの安心感が出ました。
経済指標に関して、新規失業保険申請件数は、前週比3万8000件減の32万6000件と4週間ぶりに改善し、市場予想の348,000件も下回り、2020年3月中旬以来の低水準となりました。
市場では、本日発表される雇用統計に注目が集まっていますが、雇用市場が極めて悪い数字が出た場合には、テーパリング( 資産購入ペース縮小) の後退も有り得ますが、FRBによる緩和縮小の基本的なシナリオは変わらないと思われます。FRBは11月にテーパリングを開始したい意向を示唆していますが、本日の雇用統計でその主張を確固たるものにすることが市場では期待されています。
さて、9月以降の金融市場を振り返りますと5つのリスクが存在しています。
①中国不動産問題
②債務上限問題
③コロナ感染再拡大
④ミクロ・マクロ指標の頭打ち懸念
⑤商品市況上昇によるインフレ懸念
①は未だ予断を許さないものの第二のリーマン的リスクではないと市場では認識されています。
②は昨日の動きで解決に目処がつきつつあります。
③は公表数字から判断しますと世界的にピークアウト感が見られます。
つまり、あくまでも極めて楽観的に解釈すれば、5つの株価抑制要因の内、3つに目処がついたことになります。従いまして、これらをネタにしたショート筋はポジション調整を余儀なくされたのが、今週の株価反発の背景と言えます。
問題は④ミクロ・マクロ指標の頭打ちと⑤インフレ懸念です。④は今後発表予定の7-9月期の企業業績発表を待つ必要があり、⑤はこれから冬場にかけた季節的な需要増が状況を複雑にするように思えます。
特に問題は⑤であり、その意味で市場の焦点はだいぶ絞られてきた、というのが個人的感想です。