2021/10/7

キャリア見直す女性たち コロナ疲弊きっかけ

提携メディア
北米のプロフェッショナルな女性の間で燃え尽き症候群の割合が高まる中、多くの女性が自分の職業人生を見直し始めている。特集第4回では、北米の「燃え尽きエコノミー」のリアルをお届けする。
INDEX
  • リモートという諸刃の剣
  • 燃え尽き症候群
  • 独立に踏み切る
  • 粘り強く前進する
  • 柔軟性がカギ

リモートという諸刃の剣

ビッキー・クレイカーさん(38)の場合、新型コロナウイルスが大流行する中で1年以上働いた経験から、自分がキャリアに何を求めているのか、そして何を得られていないのかが明白に浮かび上がった。
マーケティングの専門家で5児の母でもあるクレイカーさんは当初、米カンザス州ウィチタ近郊の自宅で、在宅勤務をする傍ら、子どもたちのオンライン学習を見守る毎日をどうにか乗り切っていた。
だが程なく、「リモートワークが諸刃の剣になった」。
家族の問題に対応しやすくなったことに満足する一方で、別の仕事に就けば、家族と過ごす時間がもっと増えるのではないかと思うようになった。
急成長中の外食チェーンで働く彼女は、在宅勤務中も、夜までメールを頻繁にチェックする必要があり、消耗するばかりで達成感に結びつかなかった。
北米のプロフェッショナルな女性の間で燃え尽き症候群の割合が高まる中、多くの女性が自分の職業人生を見直し始めている(写真はイメージです。写真:MoMo Productions / DigitalVision / GettyImages)
ずっと教師になる夢を抱いていたクレイカーさんは今春、学区内の教職に応募した。
そして自分でも驚いたことに、採用が決まった。8月から高校生を相手にプログラミングやウェブサイトの作り方を教えている。もう振り返ることはない。
私の成功の定義は変わった
と彼女は言う。